clover*



しばらく四人で話していると・・・

「じゃあ俺らはそろそろ帰るわ。」

実がそう言うと

「じゃあー私もっ!」

葉月も続けて言った

「え?帰るの?」

紗智が二人に聞くと

「うん。紗智は洸と居なよ。
二人っきりになりたいでしょ?」

「そんなっ・・・。」

「いいから!いいから!」

「実も帰るのか?」

洸が実に聞く

「おう。邪魔して悪かったな。」

「邪魔なんか思って・・・。」

「もう大丈夫だから。」

「え?」

洸が実の言葉が理解できないでいると

実は洸の耳元で呟いた

「・・・紗智を頼む。幸せにしろよ。
紗智を泣かせたら許さねぇーからな。」

「!」

洸から離れて実が聞く

「どうなんだよ?返事は?」

「・・・当たり前だろ?」

洸が答えたー・・・

「約束だからな。」

「ああ。」

洸と実はフッと笑った

「約束って・・・?」

紗智が二人に聞くと

「何でもねぇーよ。じゃあな。」

実はそう言うとドアへ向かった

「紗智。洸。またね。」

葉月も二人に軽く手を振る

「うん・・・じゃあね。」

紗智も軽く手を振る

「またな。」

洸も二人に言った

実と葉月は病室を出た・・・

二人っきりになった紗智と洸

洸は紗智の横顔を見て
紗智に声をかけた

「紗智。」

「ん?」

紗智が洸を見る

「良かったね。仲直り出来て。」

「うん。洸のおかげだよ。」

「俺の?」

「うん。洸が励ましてくれたから
ちゃんと実と葉月と話せたんだよ。」

「そんな事・・・。
紗智が頑張ったからでしょ?
紗智の二人と話したいっていう強い気持ちが
二人に伝わったから仲直り出来たんだよ。」

「違うよ。」

「え?」

「前にさ私に洸が言ってくれたでしょ?
辛い時は頼って?って。
私ね、あの日・・・洸に会いたかったんだよ。
洸の顔を見たくて病院に行こうと思ったの。
でも出来なかった。洸を頼るのは
今じゃないって。でも頼りたいって思ったんだよ。
本当は洸に会いたくて声が聞きたかった。
そしたら洸から電話があって凄く嬉しかった。
私にとって洸の存在が大きかったの。
だから洸のおかげなんだよ。」

「紗智・・・。」

「私はいつでも洸の事が頭に浮かぶんだよ?
どんな時でも洸の事を思い出すんだよ?」

「・・・・・。」

「実と葉月には幼馴染として親友として
隣に居てほしいし隣に居てあげたい。
でも洸には私の恋人として隣に居てほしい。
隣に居たいの。
だから・・・私の隣に居てくれませんか?
洸の隣に居てもいいですか・・・?」

「紗智・・・。」

「・・・・・。」

恥ずかしそうにする紗智を
洸が優しく抱きしめた

「俺も。」

「洸・・・。」

「紗智の隣に居たいし
紗智に隣に居てほしい。
そして俺が紗智を幸せにする絶対に。」

「洸ー・・・。」

「約束するよ。」

「うん、私も洸を幸せにする。」

「うん。」

洸は更に紗智を強く抱きしめた

そして洸の気持ちに応えるように

紗智も洸を強く抱きしめたー・・・








その頃、実と葉月はー・・・

二人は何も話さず歩いていた

すると実が口を開いた

「葉月。」

「何?」

「俺さ・・・紗智を諦める。」

「え?」

「紗智の事はこれで諦める事にした。」

「諦めるって・・・本気なの?
実はそれでいいの?」

「ああ。さっきの紗智の笑顔を見て
思ったんだよ。
俺は紗智の笑顔が好きだったんだって。
最近、俺は紗智を泣かせてばっかで。
紗智を笑顔に出来んのは洸しか居ねぇーからさ。」

「そんな事・・・。」

「もちろん俺や葉月が紗智を
笑顔にする事は出来るかもしれない。
でもさ本当に心から笑顔に出来んのは
洸だと思うんだよ。
だから俺は紗智を泣かせたくないし
そんな顔を見たくねぇーんだ。
俺は紗智の笑顔を見たい。」

「実・・・。」

「紗智が望むように幼馴染として
あいつを支えてやりたいし
隣に居てやりたいんだ。」

「・・・・・。」

「俺は四人で居る時の紗智の笑顔が好きだし
四人で居る時間が好きなんだよ。
それに俺の片想いは終わったんだ。
告白して振られたんだし後悔してないし
むしろスッキリした。
だから俺はこれからも紗智の幼馴染として
あいつの隣に居る事にした。」

実は紗智をキッパリ諦めると話した

そんな実に葉月はー・・・

「もったいない事したよね紗智は。」

「え?」

「こんなにも想ってくれる人が
すぐ隣に居たのにさ。」

「葉月・・・。」

「実は諦めるって言ったけど
私は諦めないよ!」

「葉月?」

「だって私にも
まだチャンスがあるって事でしょ?
だから実の事、諦めない。」

「・・・たくっ、お前も負けず嫌いだよな。」

「そう?今更気付いたの?」

「勝手にしろ。」

「勝手にするよーだっ!」

「何か安心するわー。
葉月が隣に居てくれると。」

「・・・今更気付いたの・・・?」

「前から気付いてるよ。」

「・・・バーカ・・・。」

「バカって言うなよっ!」

「バカはバカでしょー!」


実と葉月は笑いながら帰る

実と葉月・・・

お互いにとっても大切な存在で

大切な関係である事に気付いた






そして

どんな時でも

どんな思いをしてる時でも

隣に誰かが居てくれる

そんな事は当たり前ではなくて

凄くかけがえのない事だと知った四人ー・・・


久しぶりに笑顔が戻った四人


だけど四人にとって

最後の最後に辛い現実が

確実に近づいている事を

この時の四人は分かっていなかったー・・・