その頃、実と葉月はー
「飲み物、取りに行くって…嘘だよね?」
「……………。」
実と葉月は一階のリビングのソファーに座っていた
「何で?二人っきりにさせてあげたの?」
葉月が質問すると
「そうだよ。悪いかよ。」
「悪くないけど…。ねぇ、洸って、
もしかして紗智の事、好きなのかなぁ?」
「かもな。」
「かもなって!何で、そんなに冷静なわけ?」
「洸が紗智を好きでも俺には関係ないだろ?」
「関係あるでしょ?それで、いいの?」
「関係あってもなくても
二人が好きなら俺は、応援する。…友達だから。」
「実……。」
「……………。」
まさか実と葉月が、
こんな会話をしてる事なんて
思いもしない紗智は洸の言葉に頭が混乱していたー。
「会うって…みんなでって事だよね?」
紗智が、恐る恐る洸に聞いたー
「違う。二人。俺と紗智。」
「えっ…。二人で?そ、それは……。」
紗智は何て言葉を返したらいいか分からず
混乱しているとー
「ごめん!」
「えっ…?」
急に謝る洸に紗智は驚いた
「急に、こんな事、言われても困るよなー?
ほんと、ごめん!」
「えっ、ちがっ…そんな事ない!!」
「えっ?」
「あっ、あの……私も………。」
紗智がドキドキしながら
何かを伝えようとした瞬間……
「お待たせ!!」
葉月がドアを開けて入ってきた
紗智は思わずドキッとして黙ってしまったー……
「あれ?どうしたの?」
葉月が紗智と洸の様子がおかしい事に気付いた
「あー!…何でもないよっ!てか、おせーよ。」
洸が少し不満そうな顔をして言った
「ごめん、ごめん!
ついテレビ観てたら面白くてさー♪」
葉月が笑いながら嘘をついた
その後ろで実が
「紗智。何か顔赤いけど、どーした?」
顔を真っ赤にした紗智に聞いた
「へっ?べ、別に何でもないよっ!」
紗智が慌てて否定すると
「そっか。」
「……………。」
洸と葉月も黙ってしまった
「そうだ!夏休みに花火大会に行かない?」
葉月が、言った
「花火大会?」
「うん。毎年、夏休み最後の花火大会に
私、紗智、実の三人で行ってるんだけど……
今年は洸も一緒に行かない?」
「俺も一緒に行っても良いの?」
洸が実と紗智を見ながら言うと
「ああ。一緒に行こうぜ!」
実が、そう答える
「うんっ!」
紗智もニコッと笑い答えた
「まじ?楽しみだなぁー!」
洸は嬉しそうに言った
「じゃあー花火大会に向けて
まずはテスト頑張らないとな。勉強、するぞ。」
実が、そう言うと四人はテスト勉強を再開したー。
紗智は、ちらっと洸を見て思った
本当は洸の言葉が嬉しかった
「二人で会わない?」
そして紗智は洸に伝えたかったんだ
「私も二人で会いたい。」
けど、この時の紗智には恥ずかしさと緊張で
伝えられなかった
もし、この時に伝えられたら
何か変わっていたのだろうか?
洸と連絡取れなくなってから
この日の事を思い出しては後悔してばかりだった
あの時の洸は、勇気を出して
自分の気持ちを真っ直ぐ紗智に伝えたのに
紗智には、それが出来なかったんだ
紗智にとっては
洸と、また少し距離が近づいた大切な思い出であり
また少し後悔が残る思い出にもなった
