「・・・分かった。」
「葉月・・・。」
「私、紗智と話してみるよ。
だから実も紗智と話して。」
「え?」
「実もさ紗智と仲直りしなよ。
実も思ってる事あるんじゃないの?」
「・・・まぁーな・・・。」
「じゃあ行こう?」
「え?」
「紗智の所。まだ教室に居るよね?」
「ああ。」
二人は少しだけ笑顔になった
「行くぞ。」
「うん・・・。」
二人が紗智が居る教室へと向かおうとすると
「紗智・・・?」
「え?」
二人の目線の先に居たのはー・・・
廊下を歩く紗智の姿だった
紗智は中庭に居る二人に気付かない
すると葉月が
「さ・・・紗智っーー!!」
思わず叫んだ
でも紗智は気付かず
そのまま姿が見えなくなった
「行っちゃった・・・。
仕方ないよね。気付くわけないよね。」
「葉月・・・。」
「明日ちゃんと紗智と話すから。」
「ああ。じゃあ帰るか。」
「うん。」
二人が帰ろうとした瞬間ー・・・
「実っ!!葉月!!」
誰かが二人を呼んだ
「?!」
二人が振り返ると・・・
「さ・・・紗智・・・?」
二人の目線の先に居たのは
「ハァ、ハァ・・・。」
息を切らしている紗智の姿だった
「何で・・・?」
葉月が聞くと
「帰る前に中庭に寄ろうと思ってたら
葉月の声がして・・・急いで来たんだ!
そしたら二人の姿があって・・・。
間に合って良かったぁー!」
紗智が嬉しそうに言うと
「・・・・・。」
二人は紗智じゃなく下を見ていた
「紗智、それ・・・。」
実が指を指しながら言った
「え?」
紗智が下を見ると
「あっ!!」
上履きのまま外に出てしまっていた
「履き替えるの忘れた・・・!」
紗智が恥ずかしそうに言う
そんな紗智を見る実と葉月
すると・・・
「紗智、ごめんっ!」
「?!」
葉月が紗智に謝ったー・・・
葉月は深々と頭を下げた
「葉月?!何してんの?!頭上げて!」
紗智は慌てて葉月に言った
「無視したりして本当にごめん。
私、紗智と距離を置きたいって言ったけど
それは紗智が嫌だとか嫌いになったとか
そんなんじゃないの・・・。」
「葉月・・・。」
「私は逃げたくなったんだと思う。
自分の気持ちから。
紗智への嫉妬心や実への気持ちから。」
「・・・・・。」
「この先どうなっちゃうんだろう?って
思ったら怖くなっちゃってさ。
実とは今までの関係で居られるのかな?とか
紗智とも親友として居られるかな?とか。
そしたら距離を置いた方が
いいんじゃないかって思ったんだ・・・。」
「葉月・・・。」
「けど今日、分かったの。
紗智と実を無視して話もしなかった。
正直・・・凄く辛かったし寂しかった。
たった一日、話さなかっただけで
こんなにも辛くて寂しいなんて思いもしなかった。
私にとって二人がどんなに大切か分かった。
私は距離を置く事がこんなにも辛いなんて・・・
考えもしなかったよ。」
「私も!」
「紗智・・・?」
「私も凄く辛かったし寂しかったよ!
登校日の日に葉月に距離置きたいって言われて
実に幼馴染に戻れないって言われて
私・・・目の前が真っ暗になった。
涙が出て止められないくらい泣いた。
もう三人で居られないんだって思ったら
辛くて悲しくて寂しくて・・・。」
「紗智ー・・・。」
「けど私、二人に伝えたかったの。
自分の気持ち。今日ちゃんと話そうって。
でも出来なかった。勇気が出なかった。
今日一日、話さなかっただけで
こんなにも辛くて悲しいんだって思った。
こんな日がずっと続くと思ったら
凄く辛かった・・・。
私にとっても二人は今でも大切な存在なのっ!」
「紗智・・・。」
「・・・・・。」
紗智の言葉に戸惑う実と葉月
「バカだよね・・・私。」
「葉月?」
「私、大切な存在を自分から
引き離そうとしてたんだね。
失ったら後悔するのに・・・。」
「でも気付けた。」
「え?」
「二人のおかげで私も気付けたんだよ?
私にとって実や葉月がどれだけ
大切な存在か。それを二人が教えてくれたの。」
「・・・・・。」
「だから、お願い・・・。
私のワガママかもしれないけど・・・
私、二人と今まで通りの関係に戻りたい。
実とは幼馴染に。葉月とは親友に。
私っ!二人と一緒に居たいっ!
二人の隣に居させて下さいっ!!
お願いしますっ!!」
紗智はそう言うと二人に頭を下げた
