「じゃあー今から体育館で
始業式があるから移動するぞ。
みんな体育館へ移動しろー。」
先生の言葉に生徒たちが一斉に教室を出る
「・・・・・。」
紗智は実と葉月に声をかけるチャンスだと思い
葉月の元へと行こうとしたが・・・
「ねぇー。一緒に行かない?」
葉月は近くに居た女子に話しかけた
「うん、いいよー。」
葉月は他の女子と並んで楽しそうに話している
そんな葉月の行動に紗智は胸が苦しかった・・・
本当は葉月の隣は私の場所なのに
何で他の子が隣に居るの?
紗智は少し嫉妬してしまった
そんな紗智を実が見ていた
「・・・・・。」
「実-。行こうぜー。」
「おう。」
実は男子と移動した
その声に気付いた紗智は実を見た
実も楽しそうに話している・・・
「・・・・・。」
紗智は一人で移動しようと思い
教室を出ると
「紗智。」
「あっ・・・。」
紗智に声をかけてきたのは
朝、登校してる時に
話しかけてきた女子だった
「紗智、一緒に行こう。」
「え?・・・うんっ!」
二人は体育館へと移動した
「でも何で?先に教室出たよね?」
「紗智の様子が変だったからさ。
他の子には先に行ってもらったんだ。
紗智が気になって戻って来たの。」
「えっ!ごめん・・・。」
「謝んなくていいよ。
でね、戻る時に葉月と実とすれ違ったんだけど
紗智の姿がなくてさ。心配になって。」
「・・・・・。」
「葉月と実となんかあった?」
「え?」
「いやっ・・・私さ三人とは一年の時から
同じクラスで三人がいつも一緒に居るの
知ってるからさ。今日は全然、話さないし
一緒に居ないから変だなぁーって。」
「そっか・・・。」
「みんな言ってたよ?三人が一緒に
居ないの変だよねって。」
「え?みんなが?」
「うん。紗智達は知らないと思うけど
三人の関係を羨ましいと思う人や
憧れてる人がたくさん居るんだよ。」
「私達が羨ましい?憧れ?」
「実はイケメンだし頭良いし
モテるし生徒から人気あるじゃん?
チャラそうに見えて硬派で良い奴だし。
葉月も明るくて話しやすいし
男子だけじゃなくて女子にも人気で。
紗智は二人に比べると控えめだけど
真面目で一生懸命で優しいし
紗智を嫌う子なんて誰も居ない。」
「・・・・・。」
「そんな三人が
いつも楽しそうに過ごしてる姿が
見ていていいなぁーって思うんだよ、きっと。」
「そんな風に見えるかぁ?」
「うん、見える。だから三人を見てると
正直、寂しいなぁーって。
何があったとか聞かないけど・・・
私は三人で居る姿を見るの好きだな。」
そう笑顔で言ったくれたー・・・
そんな言葉に紗智は思いもしなかった
みんなが私達を
そんな風に見ていてくれたなんて
私達はただ一緒に居るのが当たり前で
でもその当たり前が
本当はかけがえのないものだと
紗智は思った・・・
体育館に着いて始業式が始まった
校長先生の挨拶が始まり
紗智は耳に入ってこなかった
本当のこのままで良いのだろうか?
このまま二人と話せないまま
高校生活を終わらせることになるの?
そんなの絶対に嫌だ
実と葉月はどう思ってるの?
二人と話したいよー・・・
二人の本音が聞きたい
やっぱり話そう
声をかけよう
洸に勇気もらったんだから
紗智は二人に話しかけると心に誓った
あっという間に紙業式が終わっていた
