その頃、実は職員室に居たー・・・
「四宮、お前・・・今なんて言った?」
先生が実の言葉に驚いた表情で言った
「俺、医大目指します。
医者になろうと思ってます。」
実はバスケの夢を諦め
医大を目指し医者になると言った
すると先生が
「四宮!よく決心したな!」
嬉しそうに実の肩を叩いた
「お前、バスケ好きだし
バスケ頑張ってたから
そっちの道に進むのかと思ってたからな。」
「・・・バスケはもう良いんです。
バスケは趣味みたいなもんだし
俺なんかがプロになんかなれないし。」
「そうか。お前が言うなら仕方ないよな。
けど、お前の成績なら医大行けると思うぞ?
まぁー二学期の成績も重要だから
更に勉強頑張らないとな。」
「はい。」
「じゃあーどの医大を目指すか
先生と一緒に決めようか。」
「はい・・・。」
実はどこか切ない表情だった
まだバスケに未練があるのだろうか?
本当に医大を目指し
医者になりたいのだろうか?
実の本心がいまいち分からない・・・
そして教室に居る紗智と葉月
葉月から実が好きだと聞いた紗智は
「葉月が実を・・・?」
葉月の言葉に驚く紗智
「そう。」
葉月は自分の気持ちに正直になっていた
「いつから?」
「中学の時から。」
「じゃあ葉月は今まで
ずっと実が好きだったの?」
「うん。」
「何で言ってくれなかったの?」
「言えるわけないじゃん。
もし紗智に言ったらどうしてた?」
「もちろん協力するよっ!」
「やめて!
実は紗智が好きなんだよっ?!
協力されたって無理に決まってんじゃん!」
「葉月・・・。」
「そんな事されても私は嬉しくないよ。
ただ自分が惨めになるだけ。
それに実は私を恋愛対象になんて見ないよ。」
「そんな事・・・!」
「分からないの?!
実は小さい頃からずっと紗智が好きなんだよ?
ずっと一途に紗智を想ってるんだよ?
それなのに私を好きになるわけないじゃん。」
「・・・・。」
「ずっと見てきたから分かるの。
実はさ幼馴染の関係を壊れたとしても
紗智に告白したいって思ったんでしょ?
凄い勇気いるよね。凄いよね・・・。」
「・・・・・。」
「私もね実が紗智の告白した後に
実に告白したんだ。」
「え・・・。」
「もちろん振られた。
お前とは付き合えないって。」
「・・・・・。」
「分かってたはずなのに・・・
やっぱ振られるのってキツイよね。
実もさ振られて傷付いてるのに
私の話を真剣に聞いてくれて
ちゃんと答えてくれた。
ほんと実は良い奴だよね・・・。」
「・・・・・。」
「紗智。私ー・・・
実の事やっぱ好きなんだ。
だから諦める事なんて出来ない。」
「葉月・・・。」
「紗智とは中学の頃からずっと一緒で
どんな時でも、いつも一緒に居たよね。
私にとって紗智は親友だと思ってる。」
「私もっ!
私も葉月は親友だと思ってるよっ!」
「・・・紗智は私にとって
大切な存在だけど実も私にとって
大切な存在なの・・・。」
「葉月ー・・・。」
「私、正直に言うと紗智が羨ましかった。
実とは幼馴染で小さい頃から想われてて
洸とはお互いに好きで恋人同士になれて
私・・・心のどこかで
紗智の事ずっと嫉妬してたんだと思う。」
「・・・・・。」
「そんな自分が嫌いで惨めで凄く嫌なの。
今の気持ちのままで
紗智や実の側に居れない。居たくない。」
「それって、どーいう意味?」
「・・・紗智と実と距離を置きたい。」
「え?」
「ごめん。そーいう事だから。」
葉月は、そう言うと
紗智の隣を通り過ぎて教室を出ようとした
すると紗智が
「待って!葉月!」
紗智は葉月を呼び止めたー・・・
「・・・・・。」
葉月は立ち止まる
「距離を置くってどれぐらい?」
「そんなの分かんないよ。」
「私は葉月と居たい!側に居たいよ。
・・・私達、友達だよね?
親友だって思ってていいんだよね?
葉月が私の事を許してくれるまで
ずっと待ってるから。」
紗智は自分の気持ちを葉月にぶつけた
「ずるいよ・・・。」
「え?」
「紗智は・・・ずるい。」
葉月は紗智の顔を見ず
そう呟き教室を出たー・・・
葉月の目から涙が溢れていた
そして葉月が教室を出て
教室では一人になった紗智は
その場で泣き崩れた・・・
「葉月ー・・・。」
葉月に距離を置きたいと言われた
今はもう葉月と一緒に居られない
もう隣に葉月は居ない
葉月と出会って、この五年半
いつも一緒だった
どんな時でも葉月は側に居てくれた
楽しい時も嬉しい時も
辛い時も悲しい時も
でも本当に悲しくて辛い時って
今なんじゃないかな?って
そう強く思った紗智・・・
葉月の存在が
こんなにも大きくて
かけがえのない事だと改めて知った紗智は
ただ泣く事しか出来なかった・・・
