clover*



「・・・・・。」

紗智は気まずくて

実と少し距離を置いた席に座った

すると実は自分と距離を置く紗智に

「・・・俺、行くわ。」

「え?!」

実の言葉に紗智が振り向いた

実は席を立ちカバンを取ろうとしていた

「行くって、どこへ?!
先生と話すんじゃないの?!」

「だから職員室に行く。」

「まだ葉月、戻ってないのに?」

「別にいいだろ・・・。」

実はそう言うと教室を出ようとした

すると紗智が

「待って!実!」

紗智が実を呼び止めた

「・・・・・。」

紗智の声に実が立ち止まった

「実、話したい事があるの。」

紗智が話し始めた

「何?」

実が振り向き紗智に聞いた

「私、実と話したくて・・・。
ちゃんと言わなきゃって。
あの日・・・私・・・。」

「もう、いいからっ!」

「え・・・?」

「お前が話したい事ってあれだろ?
大会の日の事だろ?
だったらその話はもういいって。
お前の気持ちは分かったからさ。」

「・・・・・。」

「洸に告白出来たか?」

「・・・・・!」

「洸に伝えたいって言ってただろ?
ちゃんと好きって言えたか?」

「・・・・・うん。」

実の問いかけに紗智は頷き返事した

「そっか。良かったな。」

実は笑顔で言ったが

その表情は無理してるようだった

「だったら他に話す事ねーじゃん。
だろ?」

「あるよっ!」

「・・・・・。」

「私は実が真剣に告白してくれたのに
ちゃんと答える事が出来なかった。
だから、ちゃんと伝えようって。
だから話したかったの。」

「分かってるよ。
お前にとって俺は幼馴染なんだろ?
言われなくても分かってるって。
だからもう、それ以上言うな。」

「確かに実の事は幼馴染だと思ってる。
でも私にとって実は本当に大切な存在なの!
だから、これからも幼馴染で居てほしい。
ダメかな・・・?」

「何だよ、それ・・・。」

「実・・・?」

「俺は、お前とは幼馴染に
戻るつもりねぇーから。
お前と洸とは幼馴染でも友達でも
親友でもねぇーから!」

「実・・・。」

「俺さ、お前に振られても
幼馴染に戻れるって思ってた。
けど無理だ。俺は、お前らを
祝福出来る自信ねぇーよ・・・。」

「・・・・・。」

「お前が洸と幸せそうにしてる姿を
見たくねぇーよ。耐えられねぇ・・・。
俺は、お前と洸が思ってるような
奴じゃない。優しくないし心も広くないし
むしろ狭い人間だよ。嫉妬だってするし。
お前らを傷付けるかもしれない。
かっこわりぃーかもしれねぇーけど
それが今の俺なんだよ・・・。
俺は、そんな自分が嫌だ。なりたくねぇーよ。
だったら一緒に居ない方がマシなんだよ。」

「そんなっ・・・!」

「お前に分かるのかよっ?!」

「!」

「お前に・・・俺の気持ちが。」

「・・・・・。」

「悪いけど俺は幼馴染には戻れない。
洸とは友達でも親友でもないから。
もう、俺に話しかけんな。じゃあな。」



実はそう言うと

紗智の顔を見ずに教室を出たー・・・

「・・・・・。」

紗智は何も言い返せずただ言葉を失っていた

実の言葉にただショックだった

実の後を追いかける事も出来なかった

自分の考えが甘かったのかもしれない

実の気持ちも考えず

実なら分かってくれる

今まで通り実とは幼馴染で居られる

そう思ってた

けど違った

自分の気持ちを実に押し付けて

実を傷付けた・・・

こんなはずじゃなかったのに

もう、どうしたらいいのか分からなかった