「そっか。実、優勝したんだ。」
「うん・・・。」
花火の音が鳴り響く中で
洸の病室で
紗智と洸は話していた
紗智は実が大会で優勝した事を洸に伝えた
「じゃあーあいつ。バスケ続けるのかな?」
「私の口からは言えない・・・。
多分、洸にも話すと思うから。」
紗智は実がバスケ選手の夢を諦めて
医者になると決めた実の事を話さなかった
きっと実の方から直接
洸に話すと思っていたからだ
「そっか。分かった。
あいつが話してくれるまで
俺は何も聞かないよ。」
洸が紗智の気持ちを察して言った
「・・・・・。」
紗智は思い出していた
実に告白された時を
洸の側に居るのに
実の事が頭から離れない・・・
「紗智?」
「えっ!何・・・?」
「どうした?」
「ごめんっ!何でもない・・・。」
「・・・実の事か?」
「え!」
「話して。聞くから。」
「・・・・・。」
「大丈夫。俺は紗智の味方だから。」
「洸・・・。」
「思ってる事、話して?」
「私・・・実に告白されて
正直、混乱した。
まさか実が私を好きだなんて思わなくて。
私と実は小さい頃から一緒で
幼馴染と思ってた。
兄妹みたいに育ってきたから
お兄ちゃんみたいな存在だった。」
「・・・・・。」
「私が辛い時とか、いつも側に居てくれて
実は私にとって頼れる存在で
それぐらい大きな存在だったの。
けど男の子として意識した事なかった。
けど実は私を好きだと言ってくれた・・・。」
「私、実が真剣に告白してくれたのに
動揺してばっかで何も言えなくて
ごめんって一言しか言えなくて逃げたの。
私、実の事・・・傷付けた。
私これから実とどう接したらいいか分からないよ。
もう幼馴染じゃなくなるのかな・・・?」
紗智はそういうと目から涙が溢れていたー・・・
すると洸が
「俺は実の気持ち知ってた。」
「え?」
「実が紗智を好きだって、ずっと知ってた。
実も俺の気持ちを知ってた。
けど、お互いに知ってても諦めきれなかった。
お互いに紗智を譲る気も渡す気もなくて
それぐらい本気だったから俺も実も。」
「・・・・・。」
「今日、実が紗智に告白するのも知ってた。
俺も今日、紗智に告白するって決めてたし。
お互いに知ってて紗智に告白したんだ。
紗智がこうなる事も分かってた・・・。
紗智にこんな思いさせると分かってても
俺らの気持ちは抑えきれなかったんだよ。」
「洸・・・。」
「紗智ごめん。
紗智が一番、傷付く事は分かってたのに。
俺ら自分の事しか考えてなかったな。
本当にごめん。考えが甘かった。」
謝る洸に紗智は・・・
「謝らないで!私は嬉しかったよ?
洸と実に告白されて・・・嬉しかった。
それは本当だから。
それに私も今日、洸に告白しようって
決めてたから。」
「紗智・・・。」
「でも、どうしていいか分からない。
洸に告白出来て洸に好きって言われて
私、今凄く幸せなはずなのに・・・
実と、どう接していいか分からなくて辛い。
色んな気持ちがいっぱいで。」
「紗智は実と幼馴染に戻りたい?」
「・・・うん。」
「なら、その気持ち実に話しなよ。
実がどう思うか分からないけど。
俺もさ実とは親友で居たいんだ・・・。
でも実が嫌がるかもしれないな。」
「そんな事っ・・・!」
「実もさ幼馴染の関係が壊れてでも
紗智に告白したんだよ?
それぐらい紗智が好きだったんだな。」
「・・・・・。」
紗智は思い出していた
実の言葉の中に
「幼馴染のままで居たくねーんだよ。」
実の気持ちが本気だと
痛いほど伝わってきては余計に苦しかった
そして洸も同じだった・・・
親友と同じ人を好きになって
同じ人に告白して
親友が振られて傷付いている
そんな親友にどう接していいか分からなかった
「話してみる。」
「え?」
「私、実と話してみるよ。
もう一度ちゃんと自分の気持ちを話す。」
「紗智・・・。」
「洸ありがとう。」
「うん、実なら分かってくれるよ。
俺も実と話す。」
「うん・・・。」
二人が話してるうちに
花火は終わっていたー・・・
「あっ・・・花火、終わっちゃったね。」
「そうだな。」
「じゃあー私、帰るね。」
紗智はそう言うと
カバンを取ろうとした瞬間-・・・
「紗智。」
洸が紗智の腕を掴んだ
「?!」
「実の事、気にすんの分かるけど
忘れてない?」
「え?」
「俺は紗智が好きだって事。」
「洸・・・。」
「俺が紗智の側に居るから。
俺はいつでも紗智の味方だから。
だから何かあったら、すぐ俺に言えよ?
俺が紗智を支えるから。」
「洸・・・。」
すると洸は紗智の腕を引っ張り
「好きだよ。」
洸が言った
すると紗智も
「私も。洸が好き。」
洸に言った
二人は体を少し離し
お互いの顔を見て照れくさそうに笑ったー・・・
