clover*


その頃、紗智はー・・・

洸が待つ病室の前に居た

紗智は緊張した表情で

洸の病室のドアをノックしたー・・・

コンコンッ

「はい。」

洸が返事をした

紗智がドアを開けた

「紗智。」

「洸・・・。」

「来てくれてありがとう。
待ってたよ。」

洸は嬉しそうに笑って言った

「・・・・・。」

洸の笑顔を見てホッとする紗智

「早く入って?
もうすぐ花火が始まるよ。」

洸が言うと紗智が病室の中へ入った

「晴れて良かったね。」

洸が窓の外を見ながら言った

「あっ、そう言えば・・・
実の試合どうだった?」

洸が振り返りながら聞くとー・・・

「!」

紗智は洸を抱きついた

洸は紗智の行動に驚いた

「紗智・・・?何かあった?」

洸が紗智を心配すると

「ご、ごめん!私、何してんだろ。」

紗智は慌てて洸から離れようとすると

洸が紗智の腕を引っ張り

紗智を自分に抱き寄せた

「!」

「どうしたの?何かあった?」

紗智の抱きしめながら洸が聞いた

「・・・別に、何も・・・。」

紗智は思い出していた

実から告白された事を

「いいから言って。聞くから。」

洸は実が紗智に告白したと

紗智の様子で気付いた

洸に抱きしめられながら紗智が答えた

「私・・・実に告白された。」

紗智は正直に話した

「そっか。」

洸が言うと紗智が更に話し続けた

「でも断った。
私には好きな人が居るから。」

「好きな人?」

洸が聞くと・・・

紗智は洸から離れ

「私、私ね・・・洸の事が・・・」

紗智は洸に気持ちを伝えようとすると

「好きだ。」

「え?」

紗智が洸の言葉に驚いた

すると洸が話し始めた

「俺、初めて会った時から
紗智の事が好きだ。」

「・・・え?!」

「今までずっと言えなかったけど
俺、紗智の事好きだったんだ。
今まで辛い思いさせて傷つけて
本当に悪いと思ってる。
けど俺には紗智が必要なんだ。」

「洸・・・。」

「こんな俺だけど・・・
俺の側に居てほしい。
俺も紗智の側に居たい。
だから俺と付き合ってほしい。」

「・・・・・。」

ついに洸が紗智に告白した

洸の告白に驚きながらも

「私も洸が好き。
初めて会った時からずっと好きだった。
私も洸の側に居たい。側に居てほしい。
私と付き合って下さい。」

紗智も洸に告白した

もっと伝えたい言葉が

たくさんあったはずなのに

「好き」の言葉が精一杯だったー・・・


紗智の言葉に洸は

紗智を抱きしめた

さっきより強く・・・

「好きだ。」

「私も。」

嬉しそうに言う洸と

嬉しさのあまり涙が溢れる紗智・・・


そして二人はお互いに見つめ合い笑った


するとー・・・


ドーンッ!!

大きな音に二人が窓の外を見ると

花火が上がっていた

「花火・・・。」

「綺麗だね。」

「そうだね。」

「一年前にした約束・・・
叶える事が出来て良かった・・・。」

「うん。」

「洸と花火見れて幸せ。」

「俺も。あのさ・・・紗智?」

「何?」

「来年も一緒に見ような、花火。」

「うん・・・。」

すると洸は紗智の手を握った

「紗智。」

紗智が洸の方を向くと

洸の顔が少し近づいた・・・

紗智は思わず目をつぶった


そして二人はキスをしたー・・・


病室の窓の外で花火が綺麗に打ちあがっていた


花火の大きな音だけが響いていた・・・


紗智と洸はついに

お互いに気持ちを伝えた

そして友達から恋人へとなった・・・


けど二人は分かっていなかった


紗智に振られて

葉月に告白されて断り

打ち上げでも上の空だった実



実の告白して振られ

溢れる涙が止まらず

一人で帰る葉月


二人がどんな思いをしているかなんて

知らなかった・・・


この時の二人は

実の事も葉月の事も忘れていたんだ・・・

そして後に知る事になる紗智は思う


この時の自分は最低だー・・・と