実と紗智は体育館に居た・・・
「・・・・・。」
二人は沈黙のまま
実は緊張のせいか黙ったまま
紗智は実の話が何なのか分からず
戸惑っていた
すると紗智が
「実!」
先を歩く実を呼び止めて
実はドキッとしながら振りかえる
「・・・何?」
「おめでとう!」
紗智は笑顔で言った
「え?」
実の反応はいまいちだった
「さっき、ちゃんと言えなかったから。
優勝おめでとう!」
そう、実が最後にシュートした
ボールが決まり得点が二点となり逆転勝利して
実のチームが優勝したー・・・
「優勝とか凄いじゃん!
私、凄く感動しちゃった。」
紗智が興奮した様子で言うと
「たくっ、大袈裟だな・・・。」
実は冷静だった
でも少し嬉しそうに笑った
「今まで実の試合を何度か見てきたけど
今日が一番良かったしカッコよかった!」
「紗智・・・。」
紗智の言葉に実は決心した表情で
「当たり前だろ。俺にとって
今日は、ぜってーに負けられない試合で
勝たないと意味がなかったんだよ。」
「実?」
「俺さ・・・今日の試合で負けたら
バスケを諦めるつもりだった。
そんで親父の言う通り医者になろうって。」
「え・・・?」
「けど優勝して俺やっぱ
バスケ好きだわってスゲー思った。」
「じゃあバスケ諦めないって事だよね?」
「バスケは好きだけど・・・
バスケの選手になる夢は諦める。」
「何で?優勝したのに・・・?
だって夢だったんでしょ?!」
「今日、優勝したのは俺だけの力じゃなくて
部員の奴らが居てくれたから
出来たわけだし。」
「それはそうかもしれないけど・・・。」
「俺さ本当は洸と試合したかったんだよ。」
「洸と・・・?」
「ああ。洸が居るチームに勝って
優勝したかったんだよ。
俺の夢はバスケ選手より
そっちの方が上だったんだよ。」
「実・・・。」
「俺は洸の居ないチームに
ギリギリに勝って優勝した。
確かにあいつらもスゲー強かった。
さすがバスケで有名な高校だよな。
洸が居たらボロ負けだったかもな。」
「そんな事・・・。」
「俺はバスケでは
洸にはかなわないんだよ。
だから思ったんだ。
今の俺じゃバスケの選手にはなれないって。」
「・・・・・。」
「だから決めたんだ。夢を諦めようって。
親父の言うように医者なって跡を継ごうって。」
「・・・・・。」
「けど俺には諦めたくない事が一つある。」
「それは何・・・?」
紗智が聞くと・・・
実は真剣な顔をして紗智を見た
「・・・お前だよ。」
「・・・え?」
実の言葉に驚く紗智ー・・・
そして、ついに実は紗智に
自分の気持ちを話し始めた・・・
「俺さガキの頃から
お前と一緒だったじゃん?
何か、ほっとけなくて
俺が側に居てやらなきゃって。」
「・・・・・。」
実の顔を見れない紗智は下を向いたまま
実の話を黙って聞くしかできない
「最初は、ただの幼馴染にしか
思ってなかった。
一緒に居るのが当たり前で
この先もずっと一緒に居ると思ってた。」
「けど洸が現れて・・・
紗智が洸を好きになったのに気付いて
正直、俺は複雑だった・・・。
洸は俺のダチで親友で大事な奴だけど
それ以上に俺にとってお前が大事で。
お前を洸に渡したくねーって思った。」
「・・・・・!」
「最初は気になる存在だったけど
俺は、お前を本気で好きになった。
だから、お前を洸に譲る気も
渡すつもりもねーから。
もう幼馴染の関係で居たくねーよ。」
そして、ついに実は・・・
「紗智。俺は、お前が好きだ。
俺と付き合ってほしい。」
紗智に告白をした・・・
