その頃、洸はー・・・
「・・・・・。」
病室で紗智が来るのを待っていた
コンコンッ!
病室のドアをノックする音がした
「はい。」
洸が返事をすると
「洸君、足の痛みとかはない?」
看護婦が入って来た
「はい、大丈夫です。」
洸が言うと
「良かった。」
看護婦が言うと
「そう言えば優太は?」
洸が聞いた
同室である優太の姿がなくて
洸は気になっていた
「優太君なら、さっきご両親が来て
もう屋上に行ってるわよ。」
「そうなんですか。」
「屋上、もう人でいっぱいで
患者さんもご家族も
花火が待ち遠しいって感じで
盛り上がっていたわよー!」
看護婦さんが笑いながら言った
「今日、晴れたし良かったですよね。」
洸が言うと
「紗智ちゃんは、いつ来るの?」
「一応18時に約束してて。
でもまぁ、花火が始まるまでには
来ると思います。」
「確か今日は
実君の試合があったんだよね?
優勝するといいね!」
「はい。あいつなら大丈夫ですよ。」
「そうね。花火、楽しみね!」
「そうですね・・・。」
洸は笑顔で答えたが
正直、気持ちは複雑だった・・・
なぜなら試合が終わった後
実が紗智に告白すると聞いていたから
洸は紗智が来てくれると信じていたが
実から告白されたら動揺して
ここに来てくれるかどうか不安だった
紗智の気持ちを考えると
余計に複雑だった
そんな紗智に自分も告白していいかどうか
悩んでいたのだー・・・
洸がそんな心境の中
実の最後の試合が終わった・・・
そして大会の閉会式が終わり
紗智と葉月は
実のバスケチームと一緒に
バスに乗せてもらい高校へと向かった
そして高校に着くと
部員の一人が
「よーし!今から打ち上げ行くぞ!」
そう言うと部員達は盛り上がっていた
「・・・・・。」
紗智が携帯を見て時間を気にしていると
「紗智。」
紗智は声をかけられ振り返ると・・・
「実。」
実の姿があった
「時間・・・平気か?」
「あー・・・うん!まだ大丈夫!」
「そっか。
・・・あのさ少し話さないか?」
「え?別に良いけど・・・。」
紗智は実に言われ、その場を離れた
「・・・・・。」
そんな二人を複雑な表情で見つめる葉月
すると部員の一人が
「あれ?実は?」
葉月に話しかけた
「あー・・・何か部室に忘れたみたい。
あっ!何か先に打ち上げ場所に
行ってていいって言ってたよ。」
「マジかよー。じゃあ俺ら先に行くわ。」
「うん、分かった。
私も後で実と行くから。」
「おう!」
部員の一人が言うと他の部員たちを連れて
先に打ち上げ場所へと移動した
「・・・・・。」
葉月は思ったー・・・
実が今から紗智に告白する事を
本当は止めたい気持ちだいっぱいだったが
実の気持ちを思うと
出来ないでいた・・・
葉月は、ただその場で
二人を待つ事しか出来なかった
