そして4校のチームによる2試合が終わった
「何か凄かったねー!」
「うん!めっちゃ白熱してた!」
紗智と葉月は他のチームの試合を見て興奮気味
そして、ついに・・・
「あっ、紗智!見て!」
葉月が紗智に言った
「え・・・?」
紗智は葉月が指さす方を見ると
実達のチームがコートへとやって来た
実の緊張した表情で
軽くストレッチをしていた
そんな実を見る紗智と葉月・・・
するとー・・・
「きやー!四宮先輩ー!」
「実君、頑張ってー!」
どこからか実の名前を叫ぶ声がした
二人が驚きながら声がする方を見ると
「あれ、うちの高校の生徒じゃん。」
「うん・・・。」
「実って人気なんだね・・・。」
「そうみたい。」
二人は実が女生徒から人気がある事を知り
驚いていた
気付けば周りは
他のチームに声援を送る女生徒ばかり
まるでアイドルのコンサートみたいに・・・
紗智は、そんな状況に驚いていると
「ねぇ、紗智。向こうのコートに
洸の高校のチームが居るよ!」
葉月が紗智に言った
紗智が反対側のコートを見ると
洸と実の友達の姿があった
「勝ってほしいね。」
「え?」
「だって決勝で実と試合してほしいじゃん?」
「そうだね。」
「それに洸の高校だし。
もし決勝で試合する事になったら
何か複雑だよね。どっちも応援したいのにさ。」
「うん、そうだね・・・。」
紗智は葉月の言葉を聞いて思った
もし、この場に洸が居たらー・・・
もし洸と実が試合する事になったら
自分はどっちを応援するんだろうか?
もちろん両方だけど
試合と言うのは勝敗があって
どちらかが勝ち
どちらかが負ける
どんな結果になろうと
自分はどんな事をしてあげられるんだろうか?
そんな事を考えていた
「・・・・・。」
「紗智!」
「何?」
「どうしたの?ボーっとして。
実の試合、始まるよ?」
「ごめん、何でもない。応援しなきゃ!」
「そうだね!」
紗智は、とりあえず今は応援しなきゃと
気合を入れた
そして、ついに実の試合が始まった・・・
紗智と葉月は声援を送る
実はコート全体を走り回り
ドリブルしながら走る姿は早くて
パスも上手くて
シュートもどんな場所からも決める
例え他の選手とぶつかり転んでも
すぐに立ちボールを追いかける・・・
選手たちの躍動感と観客の声援で
会場の熱気も凄く
紗智と葉月は会場の雰囲気に圧倒されていた
実の言う通りだ
こんなにも凄いんだ
バスケって
これが実と洸が大好きなスポーツなんだ
実がシュートするたびに
黄色い声援が会場に響いた・・・
分かる気がした
今の実はほんとに凄いしカッコイイ
小さい頃から一緒に居た実
実は背も高いし
見た目のカッコイイと思うし
頭も良いし
友情に熱くて優しい奴
幼馴染である自分から見ても
実はカッコイイと思う
バスケをしている姿が一番
実らしくて凄くカッコ良かった
そう小さい頃からー・・・
紗智が、そんな事を考えていると
ピーッ!
「なっ・・・何?!」
紗智が音に驚いていると隣で葉月が
「試合が終わったんだよ。」
「え!終わった?もう?」
「紗智、見てなかったの?!」
「・・・・で?試合はどうなった?!」
「もちろん勝ったよ、圧勝で!」
葉月が言うと紗智はコートを見た
すると試合が終わって
勝利を喜ぶバスケ部員の中で
笑顔で笑う実の姿があったー・・・
そんな実の姿に
紗智は少しドキッとしてしまった
紗智は、そんな自分に驚いた
今まで実を幼馴染にしか思ってなかったのに
一瞬だけ男として意識していた
私が好きなのは洸なのに
何で実にドキッとしてんだろ?!
紗智は、そんな自分に混乱した
「紗智。」
「何?!」
葉月に肩を叩かれて紗智はドキッとした
「洸の高校も勝ったみたいだよ!ほら。」
葉月が指さす方を見ると
実と洸の友達と部員達が
嬉しそうに話していた
「洸を嫌ってた奴ら
本当に選手から外されたんだね。いい気味!」
葉月は、そう言うと笑った
葉月の言う通り洸を嫌ってた部員達の姿が
どこにもなかった・・・
紗智もそれに対しては葉月と一緒で
いい気味だと思った
だけど怪我をしていなかったら
本当は洸もこの場所に居たはずなのにー・・・
紗智は思った
見たかった
洸がバスケをする姿を見たかった
応援したかった
紗智は悲しかった・・・
「・・・・・。」
そんな紗智の姿を
実が見ていたー・・・
