clover*


次の日ー・・・

紗智は洸と花火を見る事を

実と葉月に話そう!

そんな気持ちを胸に二人を
ファミレスで会う約束をして

紗智は一人、ファミレスで待っていた

するとー・・・

「紗智。」

葉月は紗智がいる席に来た

「葉月。」

「何?話って?」

葉月は紗智の目の前に座った

「うん・・・。」

紗智が緊張した様子

「?」

葉月が不思議そうな表情で紗智を見た

するとー・・・

「あっ、実。」

紗智の視線には実が

こっちに向かって歩いてきた

「よっ。」

実が二人に気付き声をかけた

実は葉月の横に座った

「・・・・・。」

葉月は何だか意識していた

「で、何?
呼び出したりして・・・。」

実が紗智に聞いた

「うん・・・。
二人に話したい事があるんだけど。」

紗智が緊張した顔で言った

「話って?」

実が聞くと

「あのっ、私・・・実の試合の後の
打ち上げ出られなくなったんだ。」

紗智が話し始めた

「何で?」

紗智は恥ずかしそうに下を向いていたが

前を向いてまっすぐ二人を見て言った

「私、洸と花火を一緒に見る約束したの。」

「え?洸と?」

実は少しムッとした表情で言った

そんな実を気にする葉月

すると実が

「でも洸は入院してるから無理だろ?」

「あのね病室からでも見れるんだって。
だから病室で花火を見る約束したんだ。
二人には悪いんだけど・・・。」

紗智が謝った・・・

そんな紗智に

「・・・分かったよ。」

「え?」

実の言葉に驚く葉月

すると紗智は

「ほんとに?」

「ああ。試合には応援来てくれるんだろ?」

実が聞くと

「もちろん!行くよ。ありがとう!」

紗智が嬉しそうな顔で言うと

「・・・・・。」

実はなんだか複雑そうな表情ー・・・

その後、三人は色んな話をした

三人の複雑な関係が嘘みたいに

笑ったりして楽しそうに・・・


しばらくしてファミレスを出た三人

「あっ・・・。
私、洸に会いに行ってくるねっ!」

紗智が言った

「え?今から?」

葉月が聞いた

「う・・・ん。」

紗智は照れくさそうに言った

「・・・行けよ。」

実が言った

「・・・・・。」

実を見る葉月

「ごめん。じゃあー行くね!
二人とも、じゃあね。」

そう言うと紗智は病院に向かった

そんな紗智の後ろ姿を見る葉月


葉月が口を開いた

「実。昨日の事なんだけど・・・。」

葉月は実に昨日の事を謝ろうとした

すると実は

「言いたくなければ言わなくていいよ。」

「え?」

「誰だって聞かれたくない事や
言いたくない事ぐらいあるだろ?
だから俺は聞かないし、
お前も言わなくていいよ。
だから気にすんな。な?」

実は優しく、そう言った

「実・・・。」

葉月は実に優しさが嬉しかった

でも葉月は実に聞きたい事があった

「実、何で良いって言ったの?」

「何が?」

「紗智が洸と花火を見る事。
嫌じゃないの?」

「嫌だよ。」

「だったら何で?」

「嫌だけど俺にはそこまでする権利なんだろ?
それに紗智を傷付けたくねーよ。」

「でも告白するんでしょ?試合の後に。」

「ああ。する。」

「洸と花火を見る前に実に告白されたら
紗智は動揺するに決まってんじゃん!
それこそ紗智を傷付けるよ?!」

「分かってる。でも、もう決めたんだよ。
俺は気持ちを、もう抑えられねーよ。」

「実・・・。」

「それにー・・・。」

「それに?」

「とにかく。俺は決めたから。
お前にも迷惑かけると思うけど・・・。」

「・・・・・。」

すると実が立ち止まり・・・

「お前、道こっちだよな?」

「うん。」

「じゃあ・・・気を付けて帰れよ!」

「うん。ありがとう。」

「おう。じゃあな。」

実が言いかけた事・・・

それは、きっと洸も紗智に告白する

そう思ったから

だから実にとって

自分の気持ちを伝えるチャンスは

試合の後しかないと思ったからだ


「実!」

葉月は実に名前を呼んだが

実はどんどん先へ進む・・・

それは今の自分と実の距離が

遠ざかっていくような、そんな感じだった・・・

葉月は紗智と実の為を思って

自分の気持ちを抑えて隠してきた

三人の関係を壊したくなくて

二人を傷付けたくなくて・・・

でもそれは、ただ自信がなかったからだ

ただの言い訳だったかもしれない

実の紗智への気持ちに気付いていたから

自分が傷付くのが怖くて

積極的になれなかった


でも実は紗智の気持ちを知ってても

紗智に告白しようとしている

振られるかもしれないのに

関係が壊れるかもしれないのに

それだけ実は紗智が好きなんだと・・・


なのに自分は今まで何もしてこなかった

六年間、一緒に居たのに・・・

葉月は、そんな自分が情けなく思った

そして涙が溢れたー・・・

私はこのままずっと

片想いのままなのかな?

そう思いながら

必死に涙を止めようとする葉月だったー・・・