その頃、紗智はー・・・
「ハァ、ハァ・・・。」
息を切らせながら着いた場所は
病院だった
紗智は洸に会いたい一心で
あっという間に洸の病室に着いた
初めて洸の病室に来た時は
緊張と不安でなかなかドアを
ノックすることが出来なかった・・・
けど今は洸に会いたい気持ちが
先走っていて・・・
コンコン・・・!
紗智はドアをノックした
すると中から
「はい。」
洸の声がした
紗智はドアを開けたー
「紗智・・・。」
洸は紗智を見てドキッとした
紗智もまた洸の顔を見てドキドキしていた
「ごめんね?急に。今、大丈夫?」
紗智が洸に聞くと
「ああ。あっ・・・。
今、優太が寝てるから静かにな?」
洸はチラッと男の子を見て言った
「優太君が?」
紗智が男の子を見ると
ベットの中で寝ている男の子の姿が・・・
紗智は静かに病室の中へ入った
「どうした?急に。何かあったのか?」
洸が聞くと・・・
「洸に伝えたい事があるの。」
「何?」
「・・・私ね、教師になりたい。」
「え?ほんとに?」
洸は紗智の言葉に驚いた
「うん。洸に相談して色々考えて決めたの。
私、人に何かを教えたりしたいなって。
私が教えて誰かが喜んだりする顔が見たいし
誰かの力になりたいなーって思って。」
「紗智・・・。」
「三者面談でね、先生に言ったんだ。
そしたら先生も応援してくれたの!
家族も応援してくれてる。」
「そっか。良かったな!」
「うん!洸のおかげ。」
「俺?」
「うん!ありがとう!」
「俺は何もしてないよ。」
「そんな事ない!
洸のおかげで私、夢を見つける事が出来たの。
ありがとう。」
「紗智・・・。頑張れよ。
俺も応援するからさ。」
「うん。頑張る。」
二人はニコッと笑い
何だかいい感じの雰囲気ー・・・
すると洸が・・・
「あっ、あのさ看護師さんから
聞いたんだけど・・・。」
「うん?」
「病室から花火を見る事が出来るんだって。
それで毎年、患者さんと家族や友人が来て
一緒に花火を見たりしてるらしいよ。」
「そうなんだー!何か良いね!」
「ねっ。しかも屋上でも
見る事も出来るんだって。」
「へぇー!屋上から見る花火とか
どんな感じなんだろう?
きっと綺麗なんだろうなー!」
そう話す紗智を見る洸はー・・・
「あのさ。花火・・・一緒に見ない?」
洸が勇気を出して紗智に言った
「え?」
「前は一緒に花火見れないって言ったけど
ここなら一緒に花火、見れると思うんだ。
紗智が良ければ、ここで一緒に花火見ない?」
「洸・・・。」
「約束したじゃん。一緒に花火見ようって。
去年は見られなかったから今年は見たい。
俺は・・・紗智と一緒に見たい。」
「洸・・・。」
紗智は洸の言葉が嬉しかった
でもー・・・
「実はね、その日、実の試合があって。
葉月と応援しに行くの。」
「実の試合?」
「うん。実にとって最後の大会で。
私と葉月は中学の時から
応援しに見に行ったりしてて。
だから今回も応援しに行く事になってるの。」
「・・・・・。」
紗智は洸の顔を見れず
そのまま話を続けた
「それでね、大会の後に打ち上げがあって
その時に、みんなで花火を見ようって
話になってるんだ。」
紗智は正直に全てを話した
洸には嘘をつきたくなかったから・・・
すると洸はー・・・
「そっか。だったら仕方ないな。」
寂しそうな表情で言った
そんな洸の横顔を見た紗智は
「私も洸と花火、見たい!」
正直な気持ちを伝えた
「え?でも・・・。」
洸が驚いた表情で言った
「もちろん実の試合を見に行くよ。
その後、打ち上げ参加しないで
ここで洸と花火を見る!」
「でも、良いの?」
「良いの!
私・・・私は洸と花火が見たい!」
「紗智。」
「実と葉月には謝る。
二人には悪いけど・・・。
けど二人なら分かってくれると思うから。」
「うん・・・分かった。
じゃあ花火大会の日に
ここに18時に来れる?」
「うん!大丈夫!」
「じゃあー楽しみにしてる。」
「うん、私も。
じゃあ私、帰るね・・・。」
「分かった。気をつけてな?」
「うん。」
紗智は返事をして病室を出たー・・・
紗智は洸と花火を見れる事が嬉しかった
明日、実と葉月に話そう
そう心に決めて帰って行った・・・
そして洸はー・・・
「実の試合の日と花火大会が同じ日か。」
実は試合の後に紗智に告白すると言っていた
洸も花火大会の時に
紗智に告白する決心をしていた
二人は同じ日に沙智に告白する事になると・・・
