その頃、紗智達はー・・・
「ごめんっ!私、先に帰るね!」
紗智が実と葉月に言った
「紗智どうしたの?」
葉月が聞いた
すると紗智は
「行きたい所があって・・・。」
それは洸の所だった
「行きたい所?
私達も一緒に行こうか?」
葉月が聞くと
「大丈夫!一人で行くから!
じゃあー先帰るね?じゃあねっ!」
紗智はそう言うと先に帰ってしまった
「ちょっ、ちょっと紗智!」
葉月が紗智を呼び止めようと思ったが・・・
「あーあ。行っちゃった・・・。
行きたい所って洸の所だよね?」
葉月が実に言うと
「・・・さあな。」
実が歩き始めたー・・・
そんな実の後を歩く葉月に実は
「ちょうど良かった。
葉月、話がある。」
実は振り返り葉月に言った
「話?」
葉月が聞く
「ああー・・・。」
実が真剣な顔をして言った
「話って何?」
「・・・俺さ大会が終わって打ち上げの時に
紗智に告白しようと思ってる。」
「え・・・?」
「だからさ、わりーんだけど・・・
協力してくれねぇーか?
紗智と二人になれるように。
こんな事、頼めるのお前しか居ねーんだ!」
実はそう言うと頭を下げた
そんな実の姿に葉月は
「・・・・・。」
言葉が出なかった
胸の奥がズキッとしたー・・・
胸の奥が苦しくて切なくて寂しくて
どうして気付いてくれないんだろう?
どうして紗智なの?
どうして私じゃダメなんだろう?
そんな想いが一気に溢れてきて
それは涙へと変わった・・・
葉月の目からは涙が溢れていた
「・・・・・!」
葉月は涙に気付き慌てて涙を拭いた
そして自分の気持ちを押し殺してー・・・
「うん・・・。分かった!
良いよ。協力してあげる。」
そう返事をした
葉月の言葉に実が顔を上げて言った
「ほんとか?!」
同時に葉月は慌てて顔を隠すように振り返った
涙目な自分の顔を実に見せないように・・・
「葉月・・・?」
実が葉月の様子がおかしいのに気が付いた
「紗智と実を二人っきりにするんでしょ?!
任せて!私そうゆうの得意だからさ!」
葉月は実に背を向けたまま答えた
「ああ・・・・・。」
実は葉月の様子が気にしながらも返事した
すると葉月は
「分かった・・・。」
葉月は今にも泣きそうな顔をして
それを我慢して笑顔で振り返りー・・・
「頑張りなよっ!」
そう一言、実に伝えた・・・
「葉月?」
「・・・ごめん!私も先に帰るね。」
葉月は実から目を反らして
その場から離れようとした瞬間ー・・・
「葉月!」
実は葉月の腕を掴んだ
「!」
葉月は実に腕を掴まれドキッとした・・・
「どうしたんだよ?
何か変だぞ?何かあったのか・・・?」
実が心配そうに聞くと
葉月は心の中で思った
誰のせいよ!と
「何言ってんの?何もないよっ!」
葉月はそう笑顔で言うと
「嘘つくなよ。」
「え?」
「お前らしくねーじゃん。
何かあったなら言えよ?無理すんな。」
実が言うと
「ほんとに何もないから。」
葉月は実の手を自分の腕から話す
「葉月・・・。」
「実、じゃあね!
試合と告白、頑張れ!」
葉月は笑顔で言うと
その場から走って逃げたー・・・
「おい!待てよ!」
実が葉月を呼び止めようとしたが
葉月は止まらなかった・・・
走って追いかけようとしたがやめた
「・・・・・。」
実はどうしていいか分からなかった
葉月はしばらく走って曲がり角に入り
立ち止まったー・・・
「ハァ、ハァ・・・。」
息を切らしながら葉月は思った
実は追いかけてこなかった
それは実が葉月に対する
気持ちの表れな気がした
相手が紗智なら きっと実は追いかける
そう思うと辛くて悲しくて苦しかった
葉月の目からは再び涙が溢れた・・・
実が紗智に告白する
分かってたはずなのに
実の口から直接、聞くのはやっぱり嫌だった
協力なんてしたくない・・・
本当だ嫌だって言いたい
でも言えない
本当に言いたい言葉は
好き
その一言だったー・・・
葉月は溢れる涙と一緒に
自分の気持ちも一気に溢れてしまった・・・
葉月は止める事が出来ないでいたー・・・
