clover*



洸と実が紗智に告白する事を

互いに伝えあった、その時ー・・・

紗智と葉月はー・・・

二人並んで道を歩いていた


幸せそうな顔をしている紗智と

実に片想いする切ない表情の葉月


一緒に並んで歩いてるのに

二人の感情は正反対そのものだった


すると葉月が口を開いたー・・・

「紗智。」

「なにー?」

紗智が返事をすると

「あのさ。
紗智にずっと黙ってたんだけど・・・。」

葉月が勇気を出して言った

「うん?」

紗智が葉月の様子に不思議そうな表情で見た

「私・・・好きな人が居るんだ。」

葉月は真剣な顔をして言った

すると紗智は

「え!そうなの?!
言ってくれれば良かったのにー!
だって葉月、恋バナとか
自分から全然してくれないからさ・・・。」

紗智は葉月の言葉に喜ぶ

「ごめん。」

「で?相手はどんな人?
私が知ってる人?!」

「・・・ううん。紗智の知らない人。」

葉月は相手が誰かは言わなかった

そこまで言える勇気は

この時はまだなかった・・・


「そっかぁー。
もしかしてバイト先の人?」

「え?う・・・うんっ!」

「そっか!あっ、けど葉月・・・
バイト夏休みで辞めるんだよね?
その人とは仲良いの?」

「うん。辞めるよ。
・・・仲は・・・いいよ。」

葉月は実の事を頭に思い浮かべながら言った

「そっかー。
でも、なんで今、教えてくれたの?」

紗智が聞くと

「いきなり、ごめんね?」

葉月が謝る

「何で謝るの?
むしろ私は嬉しいよ?葉月が話してくれて!」

紗智の笑顔に葉月はー・・・

「紗智を見てたら言いたくなった。
恋してる紗智が何だか羨ましくて。
私も頑張りたいなって思った。」

「葉月・・・。」

「相手は言えないけど・・・
私も紗智に負けないように頑張りたい。
私もさ後悔したくないから。」

葉月の言葉には何一つ嘘はなくて

全部が本当だった


「葉月。」

「じゃあーこの話は終わり!
何か言えてスッキリした!」

葉月は慌てて話を終わりにした

「えーもっと聞きたいなー。
葉月の恋バナ。」

紗智が残念そうな顔をして言う

「また、そのうち言うよ。」

葉月は誤魔化した

「うん。分かった。
無理矢理聞くのも良くないしね。」

「紗智は相変わらずいい子だねー!」

葉月は紗智の頭を撫でた

「もー!葉月は!」

紗智もお返しに葉月に抱き付いた


紗智と葉月は笑顔でじゃれ合った・・・


葉月は思ったー・・・


紗智との関係を壊したくない

自分が実を好きだと話したら

実が紗智を好きだとわかったら

紗智は気にして傷つくと思うから


だから紗智には言えない・・・


この気持ちは紗智にも実にも言わない


だけど・・・


本当は言いたかった


私の好きな人は実だって


けど好きな人が居るって


そこまでしか言えなかった



葉月がついに好きな人が居ると

紗智に伝えた


それは実だとは言えなくても


葉月の想いは口に出してしまうほど


限界だったのかもしれない・・・


この時、もしも葉月の気持ちに

少しでも紗智が気付いていたら


葉月をこれ以上、傷付けずに済んだかな?