店を出た二人ー・・・
すると葉月が
「今年は花火大会は無理だよねー。
うちら受験生だし。」
ため息をつきながら言う
「そうだね。残念だけど・・・。」
紗智も残念そうな顔をして答える
「でも気分転換に行きたくない?!」
葉月は、さっきまでのネガティブな発言が
嘘のような発言をしてきた
「行きたいけど・・・いいのかなぁ?」
紗智が言うと
「行こーよ!一日ぐらいさ
気分転換して楽しもうよ!」
「そうだね。」
「今年は、うちら二人で行かない?」
「二人で?」
「そう!実は最後のバスケの試合があるし
花火どころじゃないと思うし。
それに・・・。」
葉月が黙ってしまった
「・・・・・。」
そんな葉月の様子に紗智は
「じゃあー二人で行こうか?」
何かを察し、こう答えた・・・
「うん!行こう!行こう!」
葉月が嬉しそうに言った
「葉月、その前に三者面談があるよ。」
「マジ?!そうだったー。
どうしよー進路・・・。最悪ー!!」
葉月が慌てた様子で言った
そんな葉月の隣で紗智は思った
葉月が言いたかった事が分かっていた
それは洸の事だったー・・・
洸は足を怪我して入院してる
洸と花火大会に行く事も
一緒に花火を見る事も
出来ないと思ったから
葉月は、その事を言うのは
紗智を傷付ける事になる為
紗智の気持ちを考え言えなかった・・・
葉月の紗智を想う優しさであった
そんな葉月の気持ちを紗智は気付いていた
「・・・・・。」
洸と花火大会に行きたい
一緒に花火を見たい
でも、それは無理だと思うから
もし、この事を洸に言ったら
洸は気にするし傷付ける事になる
それに言えるわけないし
言ったら私は最低な女だ
好きな人を傷付けるような事は
言うわけがない・・・
それにー・・・
それに洸が一年前に言った言葉
「来年は絶対に見ような花火。」
この言葉を覚えているはずがない
あの時、私の為に言ってくれて
凄く嬉しかった
私も同じ気持ちだったから
たとえ忘れていても
私が覚えてる
だから、いいんだ
今年は葉月と一緒に行ける
凄く楽しみだし楽しもう
それに私は洸の側に居られるだけで良い
それだけで今は幸せだからー・・・
「え?洸の病室に?」
「うん。去年の花火大会で
迷子になった男の子が同じ病室なの。」
紗智は葉月に去年の花火大会で出会った
男の子の話をした
「へぇー凄い偶然だね!」
「でしょ?あっ!葉月、会ってみる?
その子、凄くいい子なんだよ!
それに葉月、子供好きだもんね。」
「うん、会ってみたい!
それに洸にも久しぶりに会いたい!
洸に相談したいし。」
「相談?」
「うん。進路の。
洸って的確なアドバイスくれるし。
やっぱ頭いい人は違うよねー!
実とは大違い!」
葉月は笑いながら言った
「進路の相談・・・か。」
紗智が言うと
「紗智も洸に相談してみたら?」
葉月が言うと
「そうだね。じゃあ明日、行く?」
紗智が答える
「やったー!じゃあ明日ね!」
二人は次の日、洸に会いに
病院に行く事にした
葉月と別れて
紗智は一人、考え込んでいた
「進路・・・か。」
紗智は悩んでいた
自分が将来、何になりたいのか
分からなかった・・・
