「・・・・・。」
昨日の実との会話を思い出した葉月
実は紗智に告白をする事を決意していた
そんな実に対して
どこか複雑な思いである葉月・・・
葉月がボーっとしているとー
「葉月?どうしたの?」
戻って来た紗智がボーっとしている葉月に
心配そうに声をかけた
「ごめん!」
葉月が慌てて返事をした
「大丈夫?具合でも悪い?」
紗智が心配そうに言うと
「大丈夫!何でもない!」
葉月は言った
「そう?なら良かった。」
紗智は、そう言うと
安心した表情でドリンクを飲んだ
そんな紗智に葉月は
「ねぇ、紗智は実の事どう思ってる?」
実の事を紗智に聞いた
「実?・・・実は幼馴染だよ?」
「それだけ?
少しぐらい男として意識とかした事ないの?」
「うーん・・・小さい頃から一緒だったし
何か家族みたいな存在なんだよね。
兄妹みたいな?」
「そっか・・・。」
「でも実が居なかったら
私は生きていけなかったかも。」
「え?」
「大袈裟かもしれないけど・・・
実の存在は私にとって特別な存在で
実が居たから私は今まで
やってこれたと思うんだよね。
実には、ほんと感謝してる・・・。」
実の事を特別な存在と言った紗智
そんな紗智に葉月は
紗智と実の関係が
どれだけ深いものなのか知った
分かっていたはずなのに
葉月の想像以上のものだった
ただの幼馴染って言葉だけじゃなくて
紗智の言うように特別な存在
家族みたいな存在
本当にそれだけなのだろうか?と
思うようなくらいな二人の関係に
葉月は言葉が出なかった・・・
「もちろん葉月にも感謝してるよ!」
「え?」
「だって葉月は、いつも私を理解してくれて
応援してくれて側に居てくれて
本当に感謝してるんだから!
こんな私と親友で居てくれて本当にありがとね。」
「紗智・・・。」
「私、葉月と親友になれて良かった!」
「ありがと。
私も紗智と親友になれて良かった。」
二人は、そう言うとクスッと笑ったー・・・
すると反対側の席に座っていた
女子高生二人の会話が聞こえた
その内容は
毎年、夏休み最後の週に開催される
花火大会の話だった
今年は八月初めに
開催される事になった
「花火大会かぁー懐かしいね。」
葉月が言うと
「うん。今年は八月初めなんだね。」
紗智が答える
「初めてだよね?開催日が変わるの。」
葉月が花火大会の情報サイトを
携帯で見ながら言う
「うん。花火大会の場所が
九月から工事が始まるみたいだよ?
だから早めに開催するんだって。
お母さんが言ってた。」
「へぇーそうなんだ。
そういえば去年四人で行ったね!」
「ねっ!楽しかったね。」
「けど花火、見られなかったよねー。」
「でも、みんなで高校に行ったの
凄く楽しかった。」
「だねー!何かスリル満点で
面白かった!」
二人は去年の花火大会の話で盛り上がる
すると紗智は思い出していた・・・
洸と中庭のベンチで座って話した時の事
「来年は絶対に見ような花火。」
洸に言われた、この言葉ー
紗智は、この一年間ずっと忘れられなかった
洸と一緒に花火が見たいから
この言葉を胸に
洸と会えなかった辛くて悲しかった半年間を
乗り越えてきたから・・・
「・・・・・。」
紗智がボーっとしていると
「紗智?どうした?」
葉月が顔を覗き込むようにして聞いた
「ごめん、何でもない。」
紗智が言うと
「そう?・・そろそろ帰ろうか?」
葉月が言った
「うん、そうだね。」
紗智が返事した
二人は店を出たー・・・
