その頃、洸は
「・・・はぁー・・・。」
そうため息をついていた
するとー・・・
ガラッ!
病室のドアが物凄い勢いで開き
「洸!」
実が入って来た
「実?何だよ、いきなり・・・。」
洸が言うと
「いきなりじゃねーよ!
お前、何があったんだよっ!」
実が洸に近づき聞いた
「何って?」
洸が言うと
「今、お前の元カノと会ったんだよ。
そしたら・・・泣いてて・・・。」
「愛菜が?」
「お前、元カノと何があったんだよ。」
「・・・・・。」
「お前、いい加減にしろよ。
紗智と元カノ泣かせて何がしてーんだよ!
お前が、そういう態度だから二人が傷つくんだろ?
いい加減、自分の気持ちにケリ付けろよ!」
「分かってるよ!
だから今、自分の気持ちを愛菜に伝えたんだよ!」
「自分の気持ち?」
「ああ。俺、分かったんだよ。やっと。」
「・・・・・。」
「俺、ずっと悩んでた。
俺にとって紗智と愛菜は
それぞれ特別な存在で、どちらも大切に思ってるし
どちらが本当に好きなのか分からなかった。
けど、やっと分かったんだよっ!」
「洸・・・。」
「ある男の子が教えてくれたんだ。」
洸は男の子との会話を思い出したー・・・
「え?目をつぶる?」
「そう!そうすると頭の中が
大好きな人でいっぱいになるんだよ!」
「はっ!そんな話、信じられねーよ。」
洸が笑いながら言うと
「嘘じゃないもん!
僕、ママから教えてもらったの。
僕、病室で一人で寂しい時にね、やってみたんだ。
目をつぶると頭の中にママとパパの顔が浮かんで
凄く幸せな気持ちになれたんだ!」
そう言い男の子は笑った
「・・・・・。」
「だから、お兄ちゃんも試してみなよ!
お兄ちゃんの大切な人を思いながら
目をつぶると幸せな気持ちになれるよ?」
男の子の言葉と笑顔を見た洸は
自分もそんな気持ちになれるのか?
いや・・・
自分もそんな気持ちになれたらいいなって
そう思ったー・・・
「俺さっき、試してみたんだよ。
目をつぶって・・・。
そしたらさ、ドアをノックする音も
誰かが部屋に入って来たことも分からなくて
そんくらい集中してたのかな?」
洸はフッと笑いながら言った
「・・・・・。」
それを黙って聞く実
「そしたら俺の名前を呼ぶ声がしたんだ。
目を開けると愛菜が居た・・・。」
洸は、そう言うと少し黙り
すぐに話を続けた
「俺、名前を呼ばれた時、気づいたんだよ。
俺が今、名前を呼んでほしかったのは・・・
愛菜ではなくて・・・紗智だって。」
「紗智」って名前が洸の口から出た瞬間
実が反応したー・・・
「俺、目をつぶってる間、
頭の中で紗智の事だけ考えてた。
紗智との思い出や紗智の顔が浮かんだ。」
そう語る洸に実は
「お前、それって・・・。」
何かを感じ取りながら聞いた
「ああ。これで、はっきり分かった。
俺は紗智が好きだ。」
「!」
「もう、迷ったりしない。
紗智は、お前に渡さない。」
「・・・・・!」
自分の気持ちが紗智にあると確信した洸
真剣な顔をして実に伝えたー・・・
そして洸の気持ちを聞いた実
紗智を巡る三角関係が
再び始まろうとしていたー・・・
