「そっかぁー。洸と初めて会った日を
思い出してたんだ。」

「うん。」

「……………。」

紗智、実、葉月は学校の帰り道、
洸の話をしていたー

「初めて会った時の洸、凄く笑ってたよね。」

葉月がそう言うと

「…うん。」

紗智は寂しそうに答えた


「………………。」

実は、ずっと無言だったー




洸と出会ったのは一年前の春。


それから私達四人は色んな所へ行ったり
色んな事があって凄く楽しかったー


ずっと私達の関係が続くと思っていた



けど半年後、洸と連絡が取れなくなっていたー


洸と交わした最後の言葉。

それはクローバーの話をしていた時だー


「クローバーの花言葉って知ってる?」


私は知らなくて聞いたけど洸は教えてくれなかった



もし、クローバーの花言葉を知っていたら
私達の関係は変わっていたのかな?


もし、私がもっと勇気を出して
自分の気持ちに素直になっていたら
あなたとの関係は変わっていたのかな?



私達は、まだ知らなかったんだー。


これから、どんな事が起こるのか。


それは、とても辛くて苦しい現実だって事を。



洸の事を、ちゃんと分かっていなかったんだー。


そして知る事になる洸の今を、過去をー。


そして紗智、洸、実、葉月の切ない物語は
今、まだ始まったばかりだったー



クローバー。幸福や幸運をもたらしてくれる花



そんなクローバーの意味とは
ほど遠くなってしまった四人の関係とはー?




今なら、はっきり言える。


私は出会った、あの日から


洸に恋していたんだー。