「灰くん……どうして…わたしのそばにいるの?」

「……何で…?」

「わたしはあなたを傷つけることしかしない。
感情に身を任せて、あなたをぼろぼろにしていく。
まるで化け物だわ…」


「それでも…俺は瑠美のそばにいたいんだ。
それだけ、瑠美はデリケートで、小さな女の子なんだから」


灰くんは顔を上げると、ぽんぽんとわたしの頭を撫でた。

「こんな俺を拾ってくれた瑠美に、俺は感謝してんだからさ」


わたしは、灰くんを拾った日のことを思い返した。