誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜




「営業所によって推してる商品はやっぱり違うんだな…」

ボードを見ながら1人呟いた新井課長に商品のマーケティングファイルを渡すとディスクに向かい真剣な表情でファイルを見つめる。


「うちの営業所では、その1個前の製品が顧客調査で1番高評価でした。なので改良されたばかりの新しいタイプのそれを今はお客様に提供できるよう、頑張っています。」



「なるほど…」と呟いたあと

彼があまりにも真剣にファイルを見ているので

私は空気と同化しながら今、彼が座っているその場所に、つい数日前までいた真島課長の姿を思い出していた。





不思議な気分だ。


真島課長がいなくて本当は淋しいはずなのに、オフィスにいるとたくさんの彼を思い出せて満たされてしまう…。