誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜



一杯目は前菜をつまみながら、焼酎の茶割。


疲れた体にはこれが1番効くんだ…。

だが、男と2人でカウンターに肩を並べて座るのも昇進してからは初めてかもしれない。



「そういえば、果穂のことで話しってなんだよ…?」


すると、少しニヤけながら稲葉は「単刀直入に聞くけど…」と呟いた。


「なんだよ?果穂は俺の恋人でもあるけれど、お前らの仲間でもあるんだ。何かあったなら遠慮せずにちゃんと言ってくれ」

もしかしたら、前回、夕食を食べに行った時にまた誰かに迷惑をかけたのかもしれないと、呑気に考えていた俺に、稲葉は軽い調子で聞いて来た。


「お前ちゃんと彼女、抱いてやってんのか?」

あまりにも予想外の言葉に思わず口に含んでいた焼酎を思い切り吹きたしてしまった。


「ゲホッ…な、なんだよ急に⁉」

Yシャツの袖で口を拭いながら驚き聞き返した俺に「遠慮せずに聞けと言ったのはお前だろ?」と稲葉は笑った。



そりゃあそうかもしれないが…


その辺は、遠慮するなとら言われても遠慮するべきじゃないのか?