でも、確かに…。
課長になる前は先輩と呼んでいたし、課長に、なってからは当たり前だが、課長と呼んでるしプライベートでも課長とよんでいた私には、課長の名前に触れるきっかけがなかった。
そうかそうか、課長は幸四郎さんという名前なのかと関心して聞いていた私に「付き合ってるんですよね…?」と宮路が不思議そうに聞いてきた。
「宮路、だめよこんな公衆の面前で…誰に聞かれてるか分からないじゃない」と言う私に「そもそも、知らない奴がいないのに隠す必要がないだろ。」と川嶋が言う。
川嶋…
来てたんだっけ?
家族がいるなら真っ直ぐ帰れよ。
この間、真奈美に会った時に飲み会が多いことを愚痴ってたぞ?
確か…次、今月中に飲みに行ったらコブラクラッチかましてやる。って言ってたぞ?
私に同情の眼差しで見られながらも川嶋は話を続けた。
「こうやって皆が黙認してくれてるんだから…早く嫁に貰ってもらわないと…」
嫁?
嫁って…
結婚のこと⁈


