誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜




我慢していた涙が

ぽろぽろこぼれ落ちる。




「課長のくせに格好つけないで?」

その言葉に課長の表情が曇る。



「やっぱり怒ってるか…?」

「そりゃあ勿論、別れたくなるくらい」

涙を落としながらそっぽを向くと

彼は慌てて何度も私に謝る。



「果穂っ、本当にすまない!申し訳ない!ごめんなさい!」


みるみるうちに青ざめてく課長。


面白い。


「そろそろ…ネタバラしお願いしまーす!」

私の声に、目を丸くした課長が驚いて振り返ると

床に短く敷かれた赤のカーペット。


その先に、牧師役の稲葉先輩。


「えっ⁈」


いつも冷静な課長が、間抜けな顔でみんなを見る。

「課長!私を騙すなんてマネをするからですよ‼」


そう言って稲葉先輩のもとへ課長の手を引いて


駆け寄り

用意していたリングケースを取り出した。