「だからって、会社に動物を連れて来るな!」
「課長ひどーい!帰りには連れて帰るから今日一日だけここにいさせてあげて下さいよー」
この女…
変なわがままを言いやがって…。
「まあ…とりあえず、朝礼するぞ」
「彼女甘やかすなー」と野次をいれる稲葉を睨みつけて始まった朝礼。
久しぶりの再開は格好つけたかったが彼女のせいでで足を挫かれた…が、
ここからが本番。
「みんな、知ってると思うが…果穂は今月いっぱいで自主退職することとなる。
今月は彼女のためにも一丸となって働いて欲しい。」
俺の言葉に俯く彼女。
俺はゆっくりと深呼吸をした。
「みんな、俺に付き合って黙っててくれてありがとな?」
すると、不思議そうに顔をあげる果穂。
「果穂、1人でつらい思いをさせてすまない。
ただ二つほど言わせて貰いたい事がある。」
「…なんですか?」
「1つは、仲間の誰にも俺たちのことをチクるような奴はいない。」
「分かってます…。」
傷ついたように、伏せ目がちになるその表情を見る限り、彼女が1番頭を抱え、自分に言い聞かせていた問題が仲間との絆なんとだと感じる…。
「本社に報告したのは果穂…
それは俺自身なんだ。」
俺の言葉に目を丸くして顔をあげる彼女。
「ど…どうしてですかっ⁉」
「正直、君が辞めなきゃいけないことになって…君を傷つけたことを申し訳なく思ってる。」
歩み寄り、涙を堪えてる彼女の顔を覗き込むと胸が痛む。


