封筒に入っていたのは

一枚の辞令書と

退職届け。




「えっ…?」

言葉を失った私。新井課長も暫く、口を噤んでいた。




なんで?



辞令書には「重大な規則違反」と、遠回しに書かれた自主退職への話しだ。


「な、なんで私がっ⁉」


書類を両手で握りしめて、新井課長の顔を見つめた。


「俺も本社から連絡がきた時には何かの間違いじゃないかと思って…。

重大な規則違反に関しても、説明すらしてもらえなくて…」


「嘘でしょ?」

「果穂さんがどれだけ、真面目に働いて功績を残しているのかも伝えました。

重大な規則違反の内容を知らない俺にはそれくらいのことしかできなくて…


申し訳ありません。」

頭を下げる新井課長が…

遠くに見えた気がした。



重大な規則違反?


私が…?