誘惑したい上司の条件〜真島果穂になりたくて〜




手の甲を

ぽたぽた落ちる涙が濡らしていく。

課長が

私をどんな目で見ているのか…

恐くて顔をあげられない。



謝ることしかできない。

謝ることくらいしか…

できない。




「本当にごめんないっ…」




繰り返し

ひたすら謝る声は段々と、弱気になっていく。


だって

謝っても謝っても


課長は何も喋ってくれない。



謝るという選択肢しかないことが

こんなにも辛いとは思っていなかった。


心のどこかで


…課長は冷静に判断してくれるという、自分勝手な考えを持っていたのかもしれない。




口を一切、開かない彼に

どれほど、繰り返し謝ったか分からない。


半ば、言い続けるごめんなさいが。


呪いの呪文の如く、自分の耳に聞こえていた…。