「連絡もして来ないで突然、来るなんてどうした…?

それに明日だって仕事だろ?

帰りはどうするつもりなんだ?」


聞きたい事があり過ぎて、一度に問いかけると、彼女は一瞬、涙を滲ませて俯く。





喋らない事が1番厄介なのに…。


でも


彼女が自分からこんな突然、来たということはそれなりの事情があったに違いない。



「部屋に…来るか?」


そう聞くと


彼女は突然、意を決したような表情で、顔をあげると


目に涙をためて

告げたんだ…



「私…っっ、浮気しました…‼」


「はっ⁈‼」

途端にまた、声をあげて泣きじゃくる。


彼女を見て


俺の頭の中は真っ白に染まった。








果穂が浮気っ⁈‼


しかも、それを告げにここまで来たのかっ⁉



これはまさかの…



「他に好きな人ができちゃったから別れましょ?」的なアレかっっっ⁉



音を立てて血の気が引いていく…