その頃…


果穂に会うために会社を早くに切り上げて移動中の真島は、女子社員達にそんな噂をされてることなど知ることもなく

ただ、ひたすら車を飛ばしていた。


すると、果穂からの受信に設定している曲が流れて、慌てて携帯を確認すると



「課長の声が聞きたいんです。でも、残業なので終わったら電話します。

必ず電話にでて下さい…」


そのメールを目にした瞬間

ようやく、自分と果穂の繋がりがちゃんとそこにあることに気づいた真島は

顔をほころばせたが、突然、鼻先がむずむずして


思わずくしゃみをしてしまった。



「風邪なんてひいてないのにな…」


…噂されるとくしゃみがどうとか、よくむかし言ってたっけ…。

「果穂のやつ…

また、残業組みの誰かと俺の噂してるな…」


などと、文句を言いつつも

あと数時間で久しぶりに彼女の顔が見れると思うと。


この間の件で問いただしたいことはたくさんあるのに

なぜだか頬が緩んでしまうのだった…。