「お疲れ様でした」
「お疲れ様」
閉店の8時を過ぎて、外はすっかり暗くなっていた。
「いつも思うけど、帰り道本当に大丈夫?近いとはいえど、ここらへん街灯も少ないし狭い道も沢山あるから・・・」
店長のお決まりの台詞だ。
いつも決まって帰り際に気遣ってくれる。
「大丈夫ですよ、ここに越してから何一つ困ったことなんてありませんでしたから」
心配する店長に少しでも安心してもらえるようにいつもより明るい声で応えた。
「送ろうか?従業員に何かあっちゃ店長失格だからね」
「本当に大丈夫ですよ、店長レジ締めもありますし。ちゃんと帰ったらメール送ります」
「そう?ならできるだけ明るいとこ通って、変な人についてかないようにね」
まるで小学生に言いきかせるような台詞だけど、店長の優しさや親心みたいなものなんだって実感できる。
私の中でも、もう店長は家族みたいな物だから。
帰ったあとの、帰宅しました。というメールも日常化してしまっている。
でも家族がいない私にとって、それができる相手がいることはとても幸せなことだった。
