悪い人【完】






あれから1ヶ月が過ぎた。



「最近の私、ちゃんと笑えてる・・・?」

「うん、幸せそう」

「ふふ、よかった」



やっぱりあの日のショックが大きくて、最近まではろくに笑えてもいなかった。

暇さえあれば店長のことやあの日の出来事をフラッシュバックしてしまって、落ち込んだり、考えたり・・・頭の中がいっぱいで



動いてるうちは何も考えなくて済むかと思って、家事や先生の原稿のお手伝いに没頭した。


それだけじゃなくて、先生と過ごす時間もあの日のことを忘れさせてくれるんだ。




そんな時ふと思う

「あぁ、もう私独りじゃないんだ」って。





幼い頃に両親を亡くして、家族同然だった店長も去っていった



でも今はすぐ隣に先生が居てくれてる。




「ひより?」

いけない、いけない、ぼーっとしてしまったのか、先生に顔をのぞきこまれてしまった。