「ひより、もう大丈夫だよ」


「夢・・・」


「ううん、夢じゃない。」


「だとしたら先生は魔法使い?それとも超能力者?」


「どっちでもないよ。」


「ならどうして私が傍に居てほしいと願う時に必ず居てくれるんですか」


「ならひよりも魔法使いか超能力者だね。俺もそう願うとき必ずひよりが居てくれてる」


「ふふ…」




泣いていたからか先生が心配して迎えにきてくれていたことにも気づかなかった。

床にはこぼれたコーヒーが冷たくまだ残っていて、その上に私の服だった布がコーヒーを吸って色を変えていた。


私と部屋の状況を見て先生はとても悔しそうな顔をしながら

「いつかこうなるんじゃないかって思ってた。なのに・・・守ってあげられなかった・・・」



私は首からさげた指輪を先生にみせて


「しっかり守ってくれたじゃないですか」

と自慢気に言った。