休憩用にと思って買っておいたインスタントコーヒーを2人分いれて店長に出した。
「なんだかごめんね、忙しいとこに来ちゃったね」
「いえいえ、わざわざすいません」
今日が給料日だなんてすっかり忘れてしまっていた、明日は出勤だからその時でもよかったんだけれど、店長ったら相変わらず優しいな。
店長はすっかり様変わりした部屋をぐるっと見渡して
「引っ越し・・・するんだ?引越し先はあの漫画家さんのお家かな・・・?」
「そうなんです、店長には落ち着いた時にでもゆっくり報告しようと思ってたんですけど・・・」
「ビックリしたよ、まさかあの漫画家さんとね。2人がそんな関係だったなんて全くわからなかった」
こころなしか、いつもの店長じゃない気がする。
目が笑ってないんだ・・・
私が返事を返そうとするとその声にかぶるように
「最近ずっと嬉しそうな顔してたのは彼のおかげだったってわけか」
「て、店長・・・?」
「・・・」
二人の間に沈黙が訪れた。
店長の顔からはすっかり笑顔が消えて、目は冷たく、見たことのない顔をしていた。
「店長・・・喜んでくれないんですか・・・?」
「喜べるはずがないだろ!!!!!」
店長はインスタントコーヒーのカップを握りつぶし、勢いよく宙を舞ったコーヒーはそのまま落ちて床を汚した。
