悪い人【完】




さて、、と・・・


引越し用の荷物はこれで最後かな。
あとはいままでお世話になったこの部屋を少しでも綺麗にして返そう!


ふと雑巾をしぼりながらまた昨夜のことを思い出してしまった


美味しい食事、楽しい会話、初めての夜・・・そして指輪。


「・・・はっ」


ダメダメ!今は作業に集中しなきゃ




引っ越しまであと3日をきってしまっている

といっても昼頃からぶっ続けで作業していたからほとんどのことは終わっていて、残すところは掃除のみなんだけど。



今日、先生は打ち合わせやネーム作りで忙しい日だから私も私のことをちゃんと済ませなきゃ


カーテンを外した窓から夕日が沈むのが見えた、もうすぐ夜がくる
晩御飯の心配はいらないから、遅くなっても大丈夫だしもう少し続けよう・・・



ピンポーン


日が沈みきった頃、チャイムが鳴った


「誰だろ・・・」


玄関の覗き穴を見ると見覚えのある顔だった
それが店長だと分かってすぐ、なんのためらいも無しに扉を開けた


「店長!どうされたんですか?!」

「いきなりごめんね、でも、これ・・・」


店長が持っていたのは私の名前が書かれたお給料が入った封筒だった。