悪い人【完】




バッグの中からスマートフォンを取り出すと、画面上のランプが点滅していた。

なにか未読のお知らせがあるってこと・・・

もう予想はついてる。恐る恐る電源ボタンを押すと直ぐに画面が明るくなった。


ロック画面を解除して画面をスライドさせた




不在着信・・・6件
受信メール・・・3件


もちろん全て店長からで、最後のメールはついさっき送信されたものだった。

ここまで連絡しなかったんだ・・・こうなったらスマホが壊れて連絡がとれなかった、とでも言わないと


店長に嘘をつくのは心が痛むけど、本当のことは話せないし・・・



ふぅ、と息を吐いてスマホをバッグの中にしまった。

気持ちよさそうに眠っている先生を起こしてしまうのはとても気が引けるが仕方がない

さぁ起こさなく・・・


「おはよ、やっぱり伊勢谷さんから沢山連絡きてたんだね」

「ひゃ!!!!!!!!!!!」


突然背後から手がのびてきて後ろから抱きしめられた。

心臓がバクバクしている、まったく悪い冗談だ


上がった息を整えていると
まだウトウトと眠たそうに私によりかかる先生が

「仕事行ってくるの?」と言った。

少し寂しそうに聞こえたのは気のせいかな?



「はい、店長も心配してるだろうし、突然お休みするわけにもいかないから・・・」
と返すと少し間を置いたあとに


「いつか一緒に起きて一緒に朝ごはん食べて、ゆっくり過ごせたらいいね」


想像したらとても幸せで頬が緩んでしまう
今まで2人が会えなかった時間を早く取り戻したい・・・

そんなことを思いながら

「はい!」と満面の笑みで応えた。