”誘拐されて、監禁されてようやく自分の気持ちに気づいた”

なんて、これ以上に変でおかしい事ってあるんだろうか。


まぁでも今はとても優しい気持ちに包まれてるから結果オーライとしよう。

さて、先生への返事はもう決まっていた



「とても悪い人だけど・・・好きです、ツカサ先生」



私がそう言うと、突然握られていた手を引っ張られて、私は彼の胸へ飛び込むようなかたちになっていた

強く強く抱きしめられて頬が熱くなるのがわかった。

男性に抱きしめられたことなんてなかったから、少し恥ずかしいけど・・・何故か安心してしまう


もっと強く抱きしめてほしくて、私も腕をまわした。いつも見ていたあの背中は実際はとてもひろくてガッチリとしていた。



彼のシャンプーの香りが鼻をくすぐった瞬間

すぐに彼を突き放した

何故?と言わんばかりに驚いた表情をしているけど、それどころじゃない・・・



「先生・・・あの、お、お風呂貸してください!」



仕事終わりだった上に汗やら涙やらで汚れきった自分を思い出した