「ファル、アランの背中に穴があくよ?」


私の後ろから、声がかかる。


「ルイ・・・」


柔らかな金髪をなびかせ、優しく話しする。


「今日もダメだったの?それ」


指差されたのは、アランに渡すはずだった飲み物が入ったカゴだった。



「ちっ、違うよ!自分の分だからっ」


「・・・そう」


嘘をついたって、ルイはお見通しだ。


だってルイは、私がアランを好きだと知って、応援してくれている実の兄・・・



現 国王なのだ。