「あのさ」

「ん?どしたの?」

機嫌をどうやって直そうか考えてたらまさかの話しかけるだと!?

なんの風の吹き回しだよ!

「お前って好きなやついるの?」

は?

いま、なんと?

はい、脳みそフリーズ

「話聞いてんの?」

「あ、はい。聞いてます」

いや、ここで君だょ★なんて言ったら

地獄行きが決まる

とりあえずどうしたもんかな〜

「いるよ。颯斗は?」

こう切り返すのが一番でしょ!

「俺は、、、いるよ」

なーんだ

颯斗にもいたんだ好きな人。

胸の辺りがちくっと痛む

「へ〜!そうなんだ 好きな人いたんだ」

ちゃんと今笑えてる?

「明日、教えるから。」

「何が?」

「僕の好きな人」

うわ〜マジで言ってんの?この人

じゃぁ、明日が恋の終わる日になるのか

長かったな〜

「じゃ、明日ね」

「うん」

私より先に家に入っていく颯斗

その顔は茹でダコみたいだった

「その子のこと本気で好きなんだなぁ」

誰もいない玄関でつぶやいた言葉は

すぐに消えていった