車を走らせて少しのところで、私は西園家の大豪邸に着いた。
そして今はルイ君の庭の噴水がよく見える広々とした部屋にいる。
「それで、話って?」
カチャン、とティーカップを置きながら単刀直入に聞く。
「ハハ、まあそんな焦んないでよ。」
本当、この人は一体何がしたいんだろう。
「紫緒ちゃんってさ、悪女だよね。」
は?
「何、急に。」
私の隣に座って、いきなりそんなことを口ずさむ。
「だってさ、色々隠してるじゃん、恭也からも、ユリちゃんからも。」
思わず顔がゆがむ。
「何のこと?」
「へ~、とぼけるんだ。
例えばさ、
俺らが付き合ってたこととか。」

