偽りのシンデレラ




カラン、と氷の音だけが鳴る私たちのテーブル。



「…」



そう、私達は今近くのカフェに来ている。



でも問題は、誰もしゃべらないこと。


「あの、この前の事は、どうなったんですか…?」



不安そうにそう聞く唯斗くん。


原くんも隣にいる女の子も、不安そうだ。



まあそうよね。あんなキレられたんだから。


「大丈夫、クリーニングにだしたら染みはちゃんと落ちたわ。それでユリはクリーニング代は別に払わなくていいって。」



微笑んでそういうと、唯斗くんと女の子はホッとした顔をするけど、原くんはなぜか怪訝な顔をした。



「どういう風の吹き回しっすか。」


え?



「何のこと?」


「だってこの前はあんなに怒ってたのに、クリーニング代請求しないなんておかしいっじゃないっすか。」


ああ、そういうこと。



「それに何であの人じゃなくてあんたが来るんすか?おかしいっすよね。」



「ちょ、一太、いいだろ。許してくれたんだから。」