いつも優しくて紳士的で、例えるならば王子様のような恭也が怒るときは、大抵私のことを心配しているとき。



「ごめんね、恭也。」


下からじっと恭也を見つめて、謝る。



いつも心配かけてばかり。



でも彼は、私を抱きしめた。



ぎゅっと、きつく。



「俺は、紫緒のことが心配なんだ。」



弱弱しい声。



そんな恭也の背中に、そっと腕を回して、抱きしめかえした。



小さいころから、ずっとこうだった。



喧嘩したら、お互いを抱きしめる。



そして、




「んっ」












キスをする。