「紫緒、何…ってどこ行くの?」
後ろで色々言ってる恭也を無視して、誰もいない資料室へと連れていく。
少女漫画とかなら立場逆なんだけど、まあそんなことどうでもいい。
バン、とドアを閉める。
「なに?どうした、紫緒。」
怪訝な顔をして私をみる恭也。
本当は分かってるくせに。
「恭也、私がディナーの誘い断ったの、まだ怒ってる?」
私がそういうと、気まずそうな顔をして目をそらす。
「…怒ってないよ。」
「じゃあ、私が夜に出歩いてることには怒ってる?」
一歩恭也に近づく。
「ねえ、答えてよ。」
一歩、もう一歩。
もう私は恭也に触れていて、決して目はそらさない。
「…怒ってるよ。」
やっぱり。

