サロンから出た後はひたすら買い物。



「これとこれと、あとあそこの全部お願い。」



「かしこまりました。」



高級ブランドの服を山のように店員に持たせながらその山に次々と服を追加していくユリ。



普段は私もやんないんだけど、最近ばあやに説教ばっかりで全然外出してないし…



やっちゃうか。



「すいません、あそことあそこの棚の服、全部試着室までお願いします。」




そう女性店員の一人に言うと、嬉しそうな顔をしてかしこまりました!と言って走って行った。



「紫緒、あんたがまとめ買いなんて珍しいじゃない。」



試着室から青いドレスを身にまとい顔を出すユリ。



「うん、ちょっとストレス溜まっててね。あ、それよりも赤い方が似合ってる。」



私はそうユリに伝えると、試着室へと入っていった。