「紅稀くん!!大丈夫?!」


扉を叩いても、紅稀くんは出てこない。


いつもなら「うるせぇっ」って出てくるのに。


やっぱり満月…だから?


ここで黙ってみてるだけじゃダメだ。


紅稀くんが私を守ってくれてるように、私も紅稀くんを守るんだ。


ギュッと手を握り、ゆっくりとドアノブを回す。


「入ってくるな!!」


音でわかったのか、紅稀くんが叫んだ。


息が荒い…。


もしかしてやばいんじゃ?


入るなって言われても、決めたからには私は入るもんね!