「じゃ、僕は教室に戻るね」


「はい!ありがとうございました!」


「いえいえ。…兄さん、たまには家に帰ってきてね?」


「考えといてやる」


ぷっ、考えといてやるって。


もう答えなんて決まってるはずなのに。


顔が嬉しそう♪


「うん。じゃ、また」


小さくなる背中を見つめる紅稀くんはどこかスッキリした顔をしている。


よかった。


どこか辛そうだったから気になってたんだ。


「紅稀くん、よかったね!」


「ん、星月のおかげだな。サンキュー」


どきんっ。


そんな顔…反則だっ。


「は、早く移動しよっ!遅れちゃう!」


「おう」


ドキドキが…止まらないっ。