「よし、座ったな。転校生、入ってこい」


ドキドキする中、入ってきたのは黒髪に紅い瞳を持つ男の子。


…って、紅稀くん?!


え、転校生って紅稀くんなの!?


「外国からきた矢ケ崎紅稀くんだ」


「…よろしく」


「席は御堂の横な。みんな仲良くするように」


うぅ…っ、みんなから羨ましいという眼差しが痛いっ!


そんな私の思いを知らない紅稀くんは、不機嫌顔でこっちにくる。


え、なんで不機嫌なの?


不機嫌な理由がわからない。


私の横が嫌とか?


━━ずきんっ


胸が痛いっ。


「…よろしく」


今は胸が痛いことより、ここにいる理由だ。


いったいどうして?


「よろしく。…で、なんでここにいるの?」


「近くにいる方が何かと便利だしな。吸血鬼がどこにいるかわかんねぇし」


まぁ、そうかもしれないけど…。


紅稀くんと話してると、クラスメイトが寄ってくる。


「せづ、矢ケ崎くんと知り合いだったの!?」


「どういう関係!?」


「あははは…」