「…夜のどが乾いて水を飲みに行ったんです。そこで見たものは…」


この傷と、紅く光る瞳。


あれは完全に吸血鬼だった。


「最初は寝ぼけてるだけだと思ったんです」


でも夢ではなく現実だった。


どんなに夢がいいと願ったことか。


「なるほど、傷のせいで不安定なところに部員達の噂話と…」


「はいっ…」


いつもより真剣な顔の先輩。


こんな話をしてるから真剣にはなるだろうけど。


それが余計に現実だと言われてるようで辛いっ。


「せづ、あの噂の他にももう1つ噂があるんだけど…知ってる?」


「噂ですか?」


吸血鬼の噂の他にも噂が?