愛しているのはあなただけ

「あっ、ごっめーん。忘れてたぁ。」

愛華が軽くそう言った。

すると、そーちゃんが、

「まぁまぁ。大地落ち着けって。お前の存在が忘れられる事なんて沢山あるだろ？」

そう、余裕ぶって言った。

あっ、

「そーちゃんの存在も忘れてた。」

あっ！ヤバいっ！

慌ててあたしは、口を手で抑えたが遅かった。
そーちゃんの後ろからどす黒いオーラが出ているのが分かった。

あたしのバカァ。なんで、思った事を言っちゃうかなぁ。
絶対、そーちゃん、怒ってるよぉ。
もぉ、サイアク。

ビクビクしながら、反省していると、大地が笑いながらそーちゃんに向かって言った。

「なはははは。空ァ。てめぇだって、忘れられてるじゃねーか。あはははは。ヒー。ぶぁはははは。」

ちょっ、大地っ！

「大地！あんた、今すぐ謝った方が…」

遅かった。あたしが、言い終わる前に大地はそーちゃんにプロレス技をかけられていた。

あーあ。だから言ったのにぃ。

「だ〜い〜ち〜。お･ま･えなぁ。何言いたい放題いってんだぁ？」

「ぐぇ。そ、空。や、めろ。すまんかっ、た。お、俺が悪かった！」

あーあ。大地死んだね。

あたしは、横ではぁー。とため息を付いている愛華と目を合わせクスッと笑った。

「ごほっ。がはっ。ふぅ。…って、未来っ。愛華っ。お前らなぁ。」

そーちゃんのプロレス技から開放された大地が横で、ため息をついていて、それがあたし達２人の笑いを膨張させた。

これが、あたし達の日常。