みがわりさかな【短編】

「来年、ならね」

 メグミは、太陽に自分の硬くこわばった手のひらを透かした。

 あおいそらに、たいようのおれんじをあびて、

 うっすらとあかい、あかい血管が浮き上がる。

 今年はオス。

 来年はメスになろう。


 くるくる、

 くるくる季節が巡るたび

 彼らは性別をめぐる。

 それはわたしたちの時代に生きる、

 性別がかわるさかなたちと同じ道。

 身変わりさかなのこどもたち。


 【完】