誰にも知られない、語られない話


「…ぇ?」

弟の体は壁に勢い良くぶつかった。

弟は口から血を吐く。

「…ぇぼっ……ぁ……ぅ……」

僕は、体を引きずりながら弟の元へ向かう。

「ぁ…あぁ……おと……うさ……」

なんで?どうして?

今まで、僕が育ててきた赤ちゃんは大体1歳になる前にお父さんに壊されてしまった。

でも、今回は2歳。二年も生きていられた。

それは僕の頑張りを意味し、この最悪に近い環境で生きた弟の頑張りの賜物でもあった。

それなのに。

お母さんは褒めてくれない。

お父さんは認めてくれない。

それどころか、その成果をことごとく潰されてしまった。

なんで?どうして?